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光と闇のシンクロ  作者: 旭日 陽
第三章  沖縄偵察
22/51

第17.5話 <サンダルフォン>

久々に投稿すると初心っぽい気分になる


沖縄偵察編⑦




森の外へと駆け抜ける紅太郎の背中を

誠太郎はじっと見守る。

「さてと目的は果たした帰るとしよう」

「元から俺の出来る事なんて分かっていたんだ」

誠太郎は紅太郎が走り出した方向とは逆の方向

から森を抜け、海岸へ出た。

すっと息を吸って呼吸すると、左にステップ、

右にステップ、中央に戻り、高く飛び跳ねた。



◇佐渡島


「妹って…」

誠太郎はつぶやいた。

「何?百科事典でも持ってくる?」

「ばっ馬鹿にするな!」

誠太郎は赤面し、前言撤回するかのように手を

振った。

「そのままの意味よ。私には妹がいるの」

<メタトロン>は両手を腰に当て、仁王立ちする。

「それより早くついて来なさい」

誠太郎は<メタトロン>の背中を追い、佐渡島の

洞窟の中へと入った。


洞窟の中は薄暗い感じだった。決して真っ暗という

訳でもなく、奥の方から光が漏れていた。その光

に向かってズカズカと<メタトロン>は進む。

誠太郎も薄暗い中、見失う事の無いように

注意深く進んだ。足元も良くない場所でかつ、

前方の<メタトロン>にも気を配りながら進む

のは、そこそこ神経を使った。


「ついたよ」

<メタトロン>が口を開いた。

そのには、洞窟の光であろうものが地面に

突き刺さっていた。

光と言えば、金のようなものがそこにあると

想像する人が多いが、違った。どちらかと言うと

太陽光を見ているようだった。


「赤い…剣…」

誠太郎もエクスカリバーのような光輝く

聖剣かと思ったが、近くで見たその剣は天体の

中心の太陽を想像させる炎を宿したかのような

赤であった。


「名前は<サンダルフォン>」

「私の妹の剣よ」

すると<メタトロン>は剣の持ち手に両手を

かざした。


「起きて…サンちゃん…」


      バキッ


「!?」

洞窟が揺れだした。

そして、剣は光輝き出した。

全方位に広がり、誠太郎は目を閉じた。


瞼から光が収まったのを確認した誠太郎は、

そっと目を開いた。そして唖然とした。

「剣が浮いてる…」

剣は地から1メートル程の空間に浮遊して

おり、そこに<メタトロン>が手をかざして

何か呪文のようなものを述べていた。


「契約。ケテル様の名を借りて、我ら

 姉妹の名において、この剣を新たな

 主へと献上し、忠誠を尽くす事を

 ここに誓う。」


「契約成立。」

<メタトロン>は言い終えると、剣を誠太郎へ

渡した。

「これを貴方の弟に渡して。彼にこれを渡さないと

 恐らくルキアは止められない」

誠太郎は恐る恐るその剣を見た。

立派な赤であった。

何にも染まらない赤であった。

シミが出来ても目立たないくらいの赤であった。


「ルキアって奴はそんなに強いのか?」

誠太郎は興味心を見せる。

「ええ。三代天使の一角であり、慈愛の象徴

 でもあるわ」

この時、誠の脳内で矛盾が生じた。

「でも慈愛なら…」

「その慈愛が弱者を救う者が、擁護する

 あまりに、牙を向けたらどうなる

 と思う?」

誠太郎は言いかけた言葉を途中でやめ、

<メタトロン>の問いかけに答える。


「行き過ぎた擁護が…悲しみを生む」

洞窟へ足を向けながら、

「そう。正義と言うのは人によって違う。何を

 信じるかは人の自由。苦渋の決断とはいえ、

 それを否定されたらどう?」

「俺ならその場を立ち去るな」

誠太郎は少し共感をしめした。

「理解が早くて助かるわ。彼女は正に

 その状態」

「人間と言う弱者に力を与える事に批判し、

 彼女は現界へ飛び立った」

「それが今、君の弟と激突しようとしている」

誠太郎は想像した。

聞いた限りだが、<メタトロン>から聞いた

ルキアの意思。

そして自分の弟の性格。

数秒で激突は避けることは至難だという

結論が出た。


「だから、貴方にこの剣を渡すと同時に

 弟君にルキアの説得を頼みたいの」

誠太郎の思考を読んだかのように

<メタトロン>は口を開いた。


「なるほどねぇ」

誠太郎は理解が出来た。

「ぶ…」

「ぶつかり合って始めて得るものがある」

又しても先を越された。

「分かった。今から沖縄に行く」

誠太郎は洞窟の入り口に出た後、左右にステップ

し、飛び跳ねた。

が、

後方から叫び声が聞こえた。

「その剣はかなり強力だから、与える前に

 弟君を特訓させてー!」


空を飛行しながら、誠太郎は小さく文句を言った。

「はぁ…手のかかる奴ら…」








     18話につづく


最後まで見ていただきありがとうございます。

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