第2話
第2話です。
ーウァンッ ウァンッ
スタッフは皆一同ビクッリしました。もちろん私も。遠くで犬が吠えている声です。
『ふー、ビビった〜』カメラマンが安堵したら、張りつめていた空気が一気に和らぎました。
石垣で隔てられた家はありありとその姿を現わしました。
これからここに潜入して、撮影をしなければならないと思うと動悸がしてきました。
家の所々にある窓ガラスの向こうは真っ暗でどこか別の世界にでも繋がっているような異質な感じがします。
木造建築の2階建て。屋根は瓦でできています。
『改めて皆さん、おはようございます。怖いけど、がんばりましょう。夏なんで水分補給をよくして、体調が悪いと思ったらすぐに報告してください。よろしくお願いします』
ディレクターが早口で挨拶をしました。
『ええ〜段取りは一通り終わってるんで、確認作業して30分後くらいにリハ始めますんで』
リハーサルまで後30分‥‥。スタッフは懐中電灯片手に家の中へ撮影道具の確認をしに行っています。
その間、スタッフ陣が用意した麦茶を飲み、織りたたみ椅子に腰掛けていました。
特に変わった様子はなくリハーサルが始まりました。
『この家ですね‥‥今私が来ているところは、都内にある住宅街のはずれに建つ空き家の前なんですけど‥‥正直に言っていいですか?現時点で怖さMaxです』
前フリをしてOKをもらいました。
今度は玄関から家に入り、廊下までのシーンを撮ります。
玄関は引き戸で格子の部分には蜘蛛の巣があるのが見てとれました。
本当に気味が悪いな。
今更この仕事を受けた事を後悔し出しました。
読んで下さった方、ありがとうございます。
テレビのことよく知らないけど勘で書いてますw