その後・・・
それからのことを簡単に書いておこうと思う。
ユウトはひと月経った頃に帰ってきた。
なんでも1度、自分の世界に帰っていたようだ。
ユウトの言葉だと、最初に限ってきたときの数分から数十分後に戻れるようだ。
これはありがたい。
そうじゃないと2年も行方不明になっているところだった。
それに、この世界と行き来できるらしい。
ユウトは向こうの世界では特に思い残すことはないそうでこの世界で暮らすらしい。
それから、3年経った。
今日は地龍の討伐に来ている。
海龍はあっさりと倒せたが、地龍は防御が堅いらしいから苦戦しそうだ。
隣にはレイがいる。
3年の間に関係は進展し、俺らは将来を誓い合った。
ただ、向こうの世界では結婚できる年齢ではないし、もう少し待たなければならない。
「じゃあ、頑張れ。」
ユウトが後ろで声をかける。
この3年で魔法はかなり上達した。
「じゃあ、行くぞ。」
そう言うと俺は弓を構え、一撃必殺を狙いに行った。
そこは、自宅への帰り道の途中だった。
「そうか・・・帰ってきたんだ。」
その実感を得て、涙があふれて来る。
少しして、落ち着き、恥ずかしさゆえに急いで家に帰る。
数年、帰っていなかったが体が道を覚えていた。
そして、両親に会って再び泣いたことは割愛しよう。
それから、俺とレイは電話で連絡を取り、互いに無事に帰れたことを喜んだ。
10年後。
俺らは無事に結婚して子供を授かった。
仕事は忙しいが、偶にあの世界に戻ってユウトたちに悩みをぶちまけているせいか、ストレスはない。
そして、何よりも・・・
「今日も雨ね。ミツル、お願い。」
「はいはい。」
俺は洗濯物を干し、魔法で風を当てる。
魔法に関して感覚的に覚えてた。
いずれは子供たちにも教えようと思う。
洗濯物を乾かしているとレイが俺に聞いてきた。
「今度の連休はまた、あの世界に行きましょう。」
「そうだな。子供も一緒にな。」
いろいろと掘り下げられそうなところもありますがひとまずこれで完結です。
ご愛読してくださった皆様、本当にありがとうございました。




