交渉の結果
「なるほど、そうなればわざわざ回りくどいことをする必要もないのぅ。」
「その代わりにミツルの村とその付近にある2つの村に対して、同盟を結んでいただきたいのですが?」
しばし悩み、ディアーチェは言う。
「よかろう。ただし、ユウトお主はここに滞在してもらうぞ?」
「それは構わないのですが、仕事の指示を出しておきたいので一度帰宅の許可を。」
「構わぬ。」
こうして、交渉は無事?終わった。
「そんな訳で、リーンに任せる。」
「いきなりですか!?」
帰って早々、ひどい引継ぎを見た。
「まあ、長くてもひと月で終わるから、それまで子供の世話をしながら、商品を管理して、他の村に行けばいいよ。」
「ま、まあ、何とか頑張ります。」
「アリアはついて来い。」
「はーい。」
あとは子供たちと別れを言ってユウトは村を後にした。
ユウトのおかげで何とかなった。
ただ、問題はある。
狼だ。
ユウトは
「大丈夫。ちゃんと対策は取った。」
と言っていたけど本当だろうか。
少しした頃、銀髪の見慣れない少女がリーンと話している。
「リーン、その子は?」
「あ、ミツルさん。この子はフィアちゃん。」
「フィアです。」
お辞儀した時に頭の上で何かがあるのに気付く。
「もしかして・・・狼。」
「昔は、です。」
なんでも、アリアと契約を結び精霊化したらしい。
そう言えばそんなことを言ってたな。
つまり・・・
「もしかして、ここの縄張りって・・・」
「私の、と言うより、私たちの物です。」
あ、他にもいるんだ。
なるほど、だから大丈夫と言ったんだ。




