遠方から人が来ました。
ジャムは他にもオレンジでも作られたが、プレゼントの時よりはおいしくない。
ユウトに聞くと
「あえて味を落としているんだ。そうすれば、印象に残るだろ?」
さ、さすが師匠。
アフターサービスも充実している。
他にはユウトがお酢や、俺が頼んだ味噌に醤油を作ろうと努力している。
そんなある日。
近い方の隣の村、(ミナモト村と言うらしい)から人が走ってくる。
「ミツルさん。ユウトさんかジェシカさんは?」
「ユウトは家にいるな。ジェシカはたぶん畑だ。」
取りあえず簡単に見つかるユウトに会いに行く。
「どうした?」
「実は、遠方から来たという人が村に来ているんです。」
「わかった。俺とレン、が行く。」
漁に出ていたレンを呼び10分ほどで準備して、ユウトたちは走って行った。
ミナモトはゲンさんの苗字らしい。
それはおいて、村の村長宅に案内されるとそこには見た覚えのない人がいる。
「初めまして。ミナモト村の隣にある、ファーン村のユウトです。こちらの村とは開拓の時に支援させていただきました。」
「それはそれは。私はアレックスと言います。もっと北に山脈があり、そこの麓に村があり、そこから来ました。」
そう言って握手をする。
「今日来たのは、交易についてです。」
「なるほど、こちらとしては構いませんが。」
「俺も問題ねぇ。」
ゲンさんも問題ない。
「こちらが出せるのはこちらです。」
そう言って取り出したのは、綿花と米、肉、それに砂糖。
「代わりに欲しいのは主食となる物以外です。魚、野菜、香辛料など、教えていただけると。」
「こっぢは魚だげだ。」
「こっちは麻布、陶器、レンガ、野菜に豆ですね。」
その後交換レートを決める。
そうしたら、レンを向こうの村に連れて行ってもらい交渉を終えた。
「よかったんですか?」
「別に困ることはないからな。それにあの肉は牛の物だ。」
恐らく群生地があるのだろう。
さらに北の山の近くで砂糖と言えばビート(砂糖大根や甜菜のこと)があること言うことだ。
できれば種が欲しい。
「それにこれを見せれば喜ぶ奴がいるからな。」
そう言うと俺は小さな袋に入った米を叩いた。




