ジャムを作ります。
春と言えば苺のシーズン。
そんな訳で野イチゴの収穫に来た。
ただ、初めて見る野イチゴの感想は1つ。
「これ、苺?」
形と言うか質感がちょっと違う。
実は、苺は英語でストロベリーと言うようにベリー系の中まである。
ただ、ちょっと特殊でブルーベリーのように1つの実が単独であるのではなく、複数の実が合わさって大きな実を作ることだ。
つまり、いつも食べている苺1粒はあれだけで小さな実の集合体であるのだ。
野イチゴやクランベリーはそれが顕著に現れる。
「じゃあ、収穫するぞ。野イチゴはすっぱいからジャムにするつもりだ。」
ユウトの言葉に収穫を始めた。
1日収穫したことでそれなりの量が集まった。
早速水で洗い、蔕を取って鍋に入れる。
そこに蜂蜜を加えて煮込む。
果肉を程よく潰しながら混ぜると完成。
「あれ?檸檬とか入れなくていいの?」
「ワインはないし、酸味はあるから必要ないんだ。」
火を止めて冷やす。
その間に各自持ち寄ったビンに移していく。
「ねぇねぇ、食べていい?」
「折角だからパンと一緒にな。」
子供たちに分けてあげながらユウトが言う。
ジェシカに頼んでいるのでそろそろだろう。
「パンが焼けたわよ。」
その言葉と共にパンが運ばれてくる。
早速、試食。
パンに着けて食べると、程よい酸味と柔らかい甘みを口いっぱいに広がる。
「ミツル、口にジャムがついてる。」
おっと、おいしすぎてがっついてしまったようだ。
みんなの顔を見ると満足そうに食べていた。




