網を作って漁をします。
魔法の練習もそこそこにして、冬場の食料確保のために網を用意する。
素材は麻糸を束ねて作る。
かなり強い、と思うが大丈夫かな?
さて、網はひと月で完成した。
交差する部分を結ぶ必要があって時間が掛かった。
「漁の方法はどうする?」
できた網は漁をするなら小さい。
ユウトの質問に俺が答える。
「筏2つで網を張って海にいれる。そのあとエサを撒けば魚が来るから網を上げたらどうだ?」
取りあえず陸で試してみる。
うん。駄目かも。
「取りあえず他にないしやってみるか。」
まさかの意見が通ったのだった。
早速、筏で少し離れた所まで来た。
「じゃあ、網を張るぞ。」
ユウトが網に繋がっている紐を投げる。
それを取って引いていけば網を受け取れる。
網を張ったのでできる限り沈めた後、エサのすり身を投げ込む。
10分もしない内に大きな魚が集まってきた。
「これ、釣竿の方がよかったな。」
ユウトが改善点を言う。
そのまま端の方を一気に上げると・・・
「あ~。」
大分、逃げてしまった。
筏の大きさが足りないな。
まあ、10匹ほどとれたのはよかった。
3回ほど繰り返し戻ってくる。
結果、見つかった問題は・・・
エサを水面近くで固定する方法
筏の長さと積載量
紐の巻取り方法
この3つだ。
この3つはすぐに解決された。
エサは紐に釣り糸をつけて間に垂らすことで解決。
筏は5日で改造。
紐の巻取りは木製の簡易リールを作った。
そしてリベンジ。
「網を渡して下ろすぞ。」
網に繋がる紐は長くした。
これによって、少し深くまで下ろせるようになった。
「エサを入れるぞ。」
紐につけたエサを入れる。
よしよし集まってきた。
「旗を振って端から上げていけ。」
ユウトの声で旗が振られリールで引き上げ始めた。
結果は・・・
「大漁だな。」
そこまではいい。
ただ、どうしようこれ?
網にかけるまではよかったが、この魚を回収する方法は考えてなかった。
タモ網があればよかったんだけど、どうしよう。
ユウトが何かを思いっきり投げてきた。
棒の先に大きい釣り針みたいなものがついている。
ユウトを見ると大きな魚のエラにひっかけて引き上げている。
なるほど、そう言うことか。
俺もそれに習って魚を引き上げて行った。
新たな問題点が見つかったがこれはいいな。
網が大きくなればもっと大量に獲れるし。
ただ、1日1回が限度だな。
時間が掛かりすぎる。
気づいたら、夕方になっていた。




