襲撃の爪痕
気がついたら、奴等は居なくなっていた。
俺はどうすればいいかわからない。
「そうだ。ユウトは?」
周りを見ると何人か居ない。
その中にはジェシカとユウトも。
「と、とりあえず、ユウトを探しに行くぞ。」
ユウトの家は完全に燃え尽きていた。
「ユウト!?」
流石にこれでは…
ドンドン
そんな音が聴こえる。
「そうか。氷室か!?」
氷室を作ったと言っていたからそっちに身を隠したのだろう。
瓦礫のせいで時間は掛かっが1時間ほどで掘り起こすと無事なユウトたちがいた。
「何があった?」
「ワイバーンが・・・」
ジェシカの家に向かいながら見た光景を話す。
「そうか。」
ジェシカの家も半分近く燃え尽きている。
「ジェシカの家にも地下がある。」
そう言って地下への扉を開くと中にはジェシカと子供たちがいた。
死者はシンジ、イーグ、カップの3人だった。
また食料の多くは焼かれてしまった。
幸いだったのは事態に気づいたレンとアイネがヤギ達を安全な場所に移動させたことだ。
3人の埋葬を終えると隣の集落の被害を聞く。
隣の集落は建物が倉庫しかなく、基本的に野宿だったため怪我人はいても犠牲者はいなかったそうだ。
「食料はどう?」
ジェシカの言葉にユウトが答える。
「厳しいな。」
小麦は数日前に最初の地下倉庫に入れていたために被害は間逃れた。
だが干物は全滅。
塩漬けもだいぶやられたそうだ。
「冬は越せそう?」
「こっちだけならな。」
ユウトの言葉に俯くしかなかった。




