等価交換
俺はレイを連れて急いでジェシカとユウトを呼ぶ。
「なに?」
「どうした?」
「問題が解決できるかも。」
そう言うとレイのスキルについて教える。
スキル 等価交換。
「なるほど、検証は?」
「まだだった。」
俺は項垂れる。
「まあ、やってみよう。」
何度か検証してわかったことは、あまり効率の良い物ではない。
まずはクールタイム。
1回ごとに100秒のクールタイムが必要であること。
そして交換する際、交換先が1個しか取れないこと。
つまり、小麦1kgとトマト1個が交換できるとすると、小麦10kgを用意したからといってトマトを10個まとめて交換できるわけではない。
それに一度、交換するものに触れる必要がある。
「どうかしら?」
「うーん。」
食料に余裕があるとはいえあまりやりたくないのだろう。
「わかった。いいんじゃないか。」
ユウトが認める。
「ただ、確認のためにこれを等価交換できるかやってみてくれ。」
そう言って取り出したのは完成した薬。
そうか、薬草じゃなくて薬をやれば時短になると思って・・・
「できます。」
実際に小麦から薬を交換した。
「ただ、薬草よりのコストが重いです。」
「それでいい。」
ユウトが言う。
ん?待てよ・・・
「もしかして、無限増殖?」
「そう言うこと。」
ユウトが薬草から薬を作り、レイが薬から薬草を交換する。
「そうなると液体の方がいいな。」
そんな訳で受け入れることとなった。




