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病人を引き取ります。

 倉庫が一軒建つとユウトが魔術に再現して次々と建物を建てていく。

 「良いのか?」

 「倉庫は死活問題だったからな。自宅の方は向こうに完全に任せることになるな。」

 既に倉庫は5つあるのだが、その内2つはいっぱいになった。

 小麦を入れた麻袋やら、何やらがどれだけ貯まっていたかがよくわかる。

 干した魚や肉は袋で詰めているが塩漬けだけはどうにもできず木箱で保管されていてこれが結構かさばっているのだ。

 そんなある日、ユウトが向こうの村から帰ってくると、1人の少女を抱えている。

 「どうしたんだ?その子?」

 「俺が引き取ることにした。」

 ・・・へ?


 ジェシカが事情を聞くと元々咳き込んでいたらしく、食事が喉を通らなかったそうだ。

 そのせいでやつれて来ていたのを今日、ユウトが発見した。

 それで、ユウトが魚を獲って来てそれと交換で貰って来たらしい。

 「人身売買みたいなことはやめて頂戴。」

 「悪かったよ。でも急がないと危ない状況だったから。」

 現在は横で寝息を立てている。

 「そんなに危なかったの?」

 「肺の一部が壊死している。このままだと秋までに死ぬな。」

 「どうしてそんな子を?」

 「治すため。」

 それを聞いてジェシカが悩む。

 「何か手伝えることは?」

 「空いている倉庫を借りたい。あと、数日その倉庫から出てこないと思うけど放置してくれ。」

 「わかったわ。」

 それだけ話し合うとユウトと少女は早速、倉庫の中に消えていった。

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