助けを求められました。 2
そこで目を付けたのがレンとアイネの能力。
転移と転送。
転移は本人を含めおよそ重量100kgまで、今まで移動したことのある場所なら移動できる。
転送は特定の5か所を記憶し、その内2つを繋げる能力。
レンが助けを求めるために歩き、戻ってくる。
決して移動距離が長い訳ではない。
でも、少しずつ、少しずつ前に進んだ。
そして、狼に襲われ気を失った。
「なるほどね。」
話を聞いてジェシカは言う。
「お願いです。助けてください。」
それを聞いてジェシカは目を伏せて言う。
「ごめんなさい。すぐには決められないわ。」
「そんな!?」
「落ち着いて。ユウトもなんか言ってください。」
「悪いけど俺もジェシカに同意見だ。彼らを受け入れるのは俺達だけでなく、みんなで話し合うべきだ。」
ただ、とユウトが続ける。
「何か、君らを助けることで俺らが得するようなことはないか?」
「そ、それは・・・あっ。」
そう言うとレンはポケットを探して何か取り出す。
「これを。バルングさんが見る人が見れば価値があるって。それと鉱石を取れる場所を知っています。野菜も数種類育てています。」
レンが必死に言うがユウトとジェシカはほとんど聞いていない。
その理由は彼が取り出したものに驚いている。
「ユウト、これって・・・」
「間違いない。胡椒だ。」




