話を聞きました。
「大丈夫か。」
「う、うん。」
ジェシカは腰が抜けたようだ。
「誰か適当な蔦を取って来てくれ。こいつらを縛る。」
「縛ってどうするの?」
「なぜこんなことをしたのか聞く。」
「わかったわ。」
蔦を集めて縛り拠点に持ち帰った。
「で、どうしてこんなことをしたんだ?」
「言う気はないな。」
バンが答える。
第一、俺にこいつの尋問を任せないで欲しい。
しばらく、押し問答が続いた後ユウトが来る。
「大体の状況はわかったからそいつはもういいよ。それにミツルにはこっちに来てほしい。マーク、こいつを見張っていてくれ。」
「わかった。任せてくれ。」
それを聞いて俺たちはバンから離れた。
「どうやら、食料がなくてこんなことをしたらしい。しかも、どうやらバンがナイフを使って脅していたらしいそうだ。魔術で確認したから間違いない。」
「でも、やっていいことと悪いことがあるでしょ。」
ジェシカがあきれて言う。
「それで問題は2人をどうするかだけど・・・」
「どこかに捨てるのはまずいわよね。」
「いや、気絶させて水場の近くに放置すれば自然と目が覚めるだろ。」
ユウトがあっさりと言う。
「ただ、ミツルに確認したんだが脅されていた方、ルークって言うんだがそいつが鍛冶スキルを持っている。」
「ああ。」
みんな理解したようだ。
「難しいわね。どうしようかしら。」
既に銅鉱石は見つけてある。
ユウト曰く、青銅にした方がいいし、鉄製品の方がベストらしいが、今武器を持っているのはユウトとアリア、マークしかいない。
そうなると鍛冶スキルは見逃せない。
ただ、問題を起こした人物を仲間に入れるのはどうだろうか?
「それなら、基本的にはここと同じようにすればいいじゃないかしら。」
ジェシカの意見はこうだ。
鍛冶スキルを使う代わりに食料を与えるというものだ。
それ以外はこの近くにも立ち入らせない。
「どうかしら?」
「まあ、そうなるよな。」
ユウトは仕方ないという感じだ。
これで意見は決まったので、ユウトにバンをおいて来てもらった。




