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塩を作ります。 2

 容器は夕方には大体完成した。

 ただ、大きさが大きさ故にいくつかのパーツに分けて作り穴を掘ってからくっつける予定だ。

 ユウトのおかげで高温で焼けたのは大きい。

 「あとは・・・ってしまったわ。」

 ジェシカがorz状態になる。

 「どうした?」

 俺が代表して聞く。

 「潮の満ち引きを利用するならそれを調査しないといけないじゃない。」

 「それなら大丈夫だ。」

 ユウトがジェシカの話に割り込む。

 「さっき、等間隔に土の方まで線を引いておいた。これで明日には分かるだろう。」

 「あ、ありがとう。助かったわ。」

 ジェシカが復活してお礼を言う。


 次の日、海岸を調べて線を引いていく。

 「この辺ならどうだ?」

 「良いと思うは。砂地だから掘りやすいでしょう。

 そんな訳で漁にでるメンバーを除いて穴を掘っていく。

 砂地だから少し大きめに掘る必要があるがユウトのあまりにも強引な方法に驚かされる。

 「行くぞ。人間ブルドーザー!」

 そう言うと丸太を押して砂を押し出していく。

 子供はその様子に楽しそうに笑うが大人たちは顔が引きつる。

 丸太の重さに加えて砂の重量が加わるのだ。

 まともな人間では動かすことすら無理なはずだ。

 「いろいろ規格外ね。」

 「まあ、俺のいた世界では理不尽、人外の代名詞が俺の種族だったからな。」

 「ん?人間じゃないのか?」

 「いや、不老種だ。」

 俺の質問に答えてくれる。


 不老種とは見た目は人間だが、一定年齢に達するとそれ以上老けないらしい。

 なんとユウトの実年齢は千を超えているそうだ。

 ただ、精神は肉体に引きずられるせいでそこまで年齢差を感じないそうだ。

 それに、アリアも同じ不老種らしい。

 アリアの場合は幼い頃に成長が止まったせいで精神的に未熟な所が多く危なっかしいそうだ。


 閑話休題。

 ユウトのおかげでかなり作業が一気に終わってくれた。

 あとは、容器のパーツを入れて間に粘土を入れて焼いていく。

 昼頃には見事に完成した。

 「昼を食べたら塩水を引く道を作るわよ。」

 ジェシカの号令で食事休憩に移る。

 漁に出ていたメンバーから魚を貰って食べたのち残った作業を終わらせる。

 残りは木材で作った道を入れるだけだ。

 「あとは満潮を待つだけね。」

 「多分、夜だから見張り番が確認するってことでいいか?」

 ユウトの意見に皆が頷く。

 「さて、残りの時間は普段通りに食料を集めるわよ。」

 そう言うと解散した。


 今日の夕食で今日の作業の褒美としてユウトがイセエビを振る舞ってくれた。

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