表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
420/424

420話 知り合いが現れた!

 とりあえず、毛生え薬の販売はミニちゃんに勝手にやってもらうことにして、僕らは職員室に向かうことにした。

 何故、職員室なのか。それは、マップの中で色々なトラップがあったせいか、職員室に行けてなかったからだ。

「職員室って、なんかさ。あんまり行きたい場所じゃないよね、マサヤ」

「あー、うん。そだな。そこには同意する」

「二人は、まだ学生だったっけ?」

 カカシさんの問いかけに、僕らの声がハモった。

「「そう」」

 学生にとって、用がないとき以外はあまり近づきたくないのだ、職員室は。何故なら。

「寄ると、結構色んな先生が、目を光らせて雑用頼んできたりするんだよ」

「そうそう。部室の鍵返しに行くと、ついでだとか言って、用事頼まれるし」

 常にと言うわけではないが、案外マサヤは荷物運び頼まれやすいしね。

「まぁ、確かに。頼まれることも多いな」

 ん? あれ、スレイが同意してるけど、まさか。

「えーっと。つかぬことを聞くけど、スレイって、もしかして学生?」

「現実世界では高校生だ。高校二年」

 さすがに驚いた。つまり、僕らの一個上ってこと!?

「マジっすか!? あんまり落ち着いてるから、てっきり大学生か社会人と思ってたっすかよ!」

「見えないもんやなぁ」

「僕は知ってたけどね」

 衝撃の事実。あ、でもそうだとすると。

「じゃあ、ゲームやってて大丈夫なの、スレイ? 今年受験じゃ・・・」

 受験かぁ。僕らはひとまずあと一年余裕があるけど。

「あぁ、志望してるのは専門学校の方だから。そろそろ情報集めをしないといけないが、まだ焦る必要もそれほどない」

 専門学校か。その選択肢もあるよね。

「せっかくゲーム内に受験とか生々しい話、やめないっすか? 気が滅入ってくるっす」

「ミキくんに同意」

「俺はもう終わったからなぁ。頑張れとだけ言うとくわ」

 それもそうだね。さて、そんなことを話してるうちに、目的地とはまったく違う場所に出てしまった。

「なんで、カフェテリアにでるねん。どうなっとるんや、ここ」

「あ、でもあそこで誰かコーヒー飲んで・・・」

 僕は言葉を失う。その人物はゆっくりと振り返って僕の姿を認めると、ふっと笑った。

 だらだらと、僕の背に冷や汗が浮かぶ。

 な、なんで。

 固まった僕は、ろくに動けない。まるで蛇に睨まれた蛙だ。

「会いたかったわ〜ん。テ、ル、アちゃーん!!」

 僕は動けなかった。そのまま、抱きつかれる。

「んもぅ! 水臭すぎるわよ! ゲーム新しくやったんなら、誘ってくれてもいいじゃない!」

 僕に抱きついてきたのは、短い金髪に菫色の瞳の、見た目は可愛らしい一人の少女だ。

 ただし、この人、外見こうでも中身は中年親父なんだけどね。

「なんで、ここにいるの、フラットさん」

「そんなの、テルアちゃんに会いたくって来たにきまってるじゃない」

 はぁ、と嘆息する。突然の出来事に、みんなが状況把握に努めようとする。

「あ、ごめんなさい。自己紹介遅れちゃったわね。あたし、テルアちゃんのファンのフラットって言うの。よろしくね♪」

「あんまり近づかない方がいいよ。課金と廃ゲーマーだから、この人」

 かつてのゲーム時代の知り合いの紹介を僕はするしかなかった。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ