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410話 最強の守護者(※)

 終わりは、どこにあるのだろうか。終わりを探して、いつのまにかここまでやって来たはずなのに。なのに、今、彼は生き残りを懸けて戦っている。

 そのことが、彼は少しおかしかった。

 思わず、笑みを浮かべてしまうほどには。

 彼の前にそびえ立つ黒い岩にも似た巨躯。

 誰もが恐れるその体に乗る、対照的な白にも見える存在。その存在に、先程から毒をばらまかれていても、彼の体は丈夫であり、それらを全て無効化する。

 彼の前に立つその存在は、厄介極まりないくせに、今まで感じたことのない高揚を感じた。

 あぁ、自分は生きているのだな、と彼は感じられた。だから。そう、だから。

「全力で相手をしよう。不死たる我に、挑む者よ」

 黒岩大蜘蛛の突撃を防ぎ、手刀を叩き込む。黒岩大蜘蛛の体がべぎぼぎと壊れたのを手から感じた。

「・・・・・・!!」

 慌てて回復させようとするが、させまいと連続攻撃を仕掛けようとして。

「どっせーい!!」

 そこに、元気な声が響いた。どんっと、彼の体を貫く白い矢。いや、それは矢ではなかった。白い羽が、彼の背中に突き刺さっていた。

「無事か、ハイド、シヴァ!」

 さらに、連続で放たれる正確無比な射撃に、彼は距離を取るしかなかった。

「無粋だな。戦いの横槍を入れるとは」

「仲間を失うくらいなら、横槍ぐらいいくらでも入れてやるさ」

「仲間、か。ふっ、ふふふふふ」

 急に笑い出した彼に、不気味さを感じたが、次いでそこにいたもの達が戦慄した。

「ならば、全て破壊してやろう。仲間など無意味だとお前たちの体に刻み込んでやる」

 たらり、と誰かの背中に汗が流れる。これは、眼前の存在は、まさか。

「神の眷属、か?」

 誰かの呟きは、放たれた威圧の前に儚く散るのだった。


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