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408話 きいてない!(※)

 すみません! 仕事が、仕事がぁぁあああ(泣)! で、遅くなりました。すみません。(>_<)

 その女は、苛立ちを感じていた。様々なパーティーが集う中で、獲物を物色し、いざ狩ろうと舌舐めずりした矢先、女は背後からの声に目を剥く羽目になる。

「おう、見つけたぜ! この辺りを縄張りにしてるボスをよぉ!」

 言葉と共に、何かがすさまじい勢いで自分に突き出されて、慌てて回避する。それでも、相手の攻撃をもらってしまった。

 油断はしていなかったし、慢心も全くとまではいかずとも、ほとんどなかった。獲物を狩るために集中していたのだ。相手がただ者ではないと考えるべきだった。

「誰? 私の邪魔をするのは」 

「名乗る程のもんじゃねぇよ。ただちょっと槍が得意なだけの傭兵だ」

 女の前に立つのは、赤い大蠍を従えた白銀の毛皮を持つ狼の獣人だった。

 獰猛な笑みを浮かべながら女の前で槍をぶんと回す。何気ない動作の一つ一つに無駄がなく、キレがある。

「それだけの技量を誇りながら、得意なだけとは。謙遜なのか、嫌味なのか」

「ははは! 俺より強い奴にいつもボコられてっからなぁ! 嫌味でもなんでもねぇよ!」

 連続突きが放たれて、女は自らの得物である小剣を抜き放ち、その突きを受け流した。

「お前こそ、やるじゃねぇか。敵にしとくのはもったいねぇぐらいだな。何者だ?」

 とん、とキリがいいところで距離を開けると、獣人は問うた。

「私はあの方の前ではただの一兵に過ぎん。お前の言葉を借りるならば、私も名乗る程の者ではないな」

 両者の眼光がぶつかり、火花を散らす。

「上等だ。俺が勝って、無理矢理にでも名前を聞き出してやる」

「ふん。やれるものならやってみろ。そう簡単にはやられんぞ?」

 高まる緊張感の中、動いたのはほぼ同時。それぞれ武器が激突し、その度火花が飛ぶ。戦いはますます苛烈さを増しながら、続いていくのだった。



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