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405話 恋の障害って・・・(゜゜;)

 僕は雷鳴に打たれたかのようにしばらく動けなかった。まさか。まさかチャップに!

「こんな美人の恋人ができるなんて! すごいね、チャップ!」

 僕が誉めると、チャップはくわっと目を見開き。

「誤解です、師匠! ジーンとは付き合ってません! 恋人でもありません!!」

 思いきり否定してきた。そして、その言葉を聞いたジーンさんが俯いて、表情が見えなくなる。

「お、おい、俺の危機察知スキルが、急に発動してんだが・・・」

「奇遇っすね、マサヤ。俺もっすよ」

「このままだと、ここで死にそうなぐらいの発動だな。視界が赤一色だ」

「それってヤバイんじゃなかったっけ、隊長!?」

「まぁ、死に戻り確定みたいやね、これ」

 全員、危機察知は持っているらしく、視界が赤一色になってしまっているらしい。ちなみに赤一色だと今すぐ離脱しなければ危険という合図だ。僕の場合は黄色だけど。

「それに、本当に恋人になったなら師匠に真っ先に報告しますよ! そんなに私が師匠を慕っていないとでもお思いなのですか!?」

 涙目ですがりついてこられ、さすがに僕もビックリした。

「私は、まだ道化師として未熟です! 技も、魔法もこれから磨いていかなければならないほど、未熟なんです! それでも、一人前ではなくても、私の目標は師匠なんです。師匠に追い付きたい、その一心で、ここまで努力してきているのです。師匠は私が師匠を敬愛していることが迷惑なのですか? 私の敬愛は師匠に届いてはいないのですか!?」

 必死とは、今のチャップのことを指すのだろう。僕は、悪ふざけが過ぎたと反省した。ちょっとした冗談のつもりで、大事になってしまった。

「ごめん、チャップ。僕が言い過ぎたよ。冗談のつもりだった。チャップが僕を慕ってくれていることを疑ったことなんてないよ。だから、安心して」

 ごめんね、という謝罪を込めて、チャップの肩を叩く。

 師匠、と、大粒の涙を流し始めたチャップの横で、ジーンさんが俯いていた顔を上げた。

「やっぱり、私の恋の最大の障害はあなたなのね!それなら、私はあなたに決闘を申し込むわ!」

 高らかに言い放つジーンさんに、なんだかややこしいことになった、と僕は頭が痛くなってきたのだった。



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