399話 夢見が、悪かった(※)
すみません! ほんっと、遅れまくってすみません! 投稿しようとしたところに、色々あって、投稿するのを忘れるという。
(。>д<) 予約掲載使えるようになったので、書いて、予約するよう心がけます(T_T) すみません。
みんなが笑えたら、それが幸せだから。
今にも泣きそうでそれなのに、それでも、髪の色と目の色の違う悪友は笑顔で。くしゃくしゃの笑顔にどうしようもない理不尽な現実に怒り、叫ぶ。
・・・そのためにお前が犠牲になるのかよ! そんなのおかしいだろ!? やってもないのに、こんなの絶対に間違ってる! やめろよ!
悪友は、首を横に振る。ただのゲームだと、人は言うかもしれない。でも、そのゲームを楽しみながら、たくさんの苦労をしながら悪友が築き上げたものを、誰かがぶち壊した。さらに、ぶち壊した責任を悪友に押し付けている。
こんなの。こんな理不尽な結末なんて!
「俺は認めない! 絶対に、お前の決断は間違いだったって何度でも言ってやる! それで、お前の大事なものぶち壊した誰かを絶対に許さねぇ。覚えとけよ、テル!」
叫びながら、正也は目を覚ました。まだ、外は暗い。時計を見ると、四時前だった。
「あの夢、か。ナイーブになってんのかね」
いや、違う。原因は、わかっている。輝が、悪友が嫌がらせを受けてしまったからだ。今日も、悪友を迎えに行こうと体を起こして、携帯端末にメールが届いていることに気づいた。メールは喜一からだった。
謝罪から始まったメールは、この一言に集約された。
話はつけた。
細かい内容を省けば、そういう意味のメールだった。
「今日はどうすっかな」
悪友を迎えに行くか否か悩んだが、今朝の夢を思い出し、結局今日も迎えに行くことにする。
「ま、今日は道場掃除の日だから、そんな早く登校しなくていいんだけどな。ま、いいか」
いつものリズムを崩す気にもなれず、正也は準備を始めたのだった。
「正也、ひどくない?なんで、僕のこと起こしに来るわけ? 今日掃除の日でしょ?」
眠いのかまだ目をしょぼしょぼさせた悪友に、正也は親指を立てた。
「今朝の夢見がちょっと悪くてな。それに、掃除なら人数多い方が早く済むだろ?」
「理屈はわかるけど、そのためにまた朝五時に人の家に勝手に上がり込むのやめてよ。本当にびっくりするんだから。おまけに、ランニングとかさせられるし」
今朝の5kmマラソンを少々根にもたれたようだ。正也は毎朝走ってるので、別にそこまで疲労はないが、輝はそうではない。体育会系のノリについていけないこともある。
「そこまで、嫌がるなよ。ま、念のためで・・・」
近くで、がしゃんと何かが倒れる音がした。
驚いてそちらへ顔を向けると。女子生徒が一人駆け寄ってきて。
自転車から降りた輝の頬を平手打ちした。
「大嫌い!あんたなんか、大嫌いっ!!」
向けられた悪意に、その言葉に。瞬間的に正也の頭も沸騰する。
「このアマ! 輝に何しやがるっ!」
二度目の平手打ちなどさせるまいと、後ろ手で締め上げて、拘束する。
「広間静香さん。残念だよ」
予想外の静かな声音。悪友は、まるで全てを受け入れているかのように、悲しげな顔をしていた。
「あんたに何がわかるのよ!」
暴れ続ける女子生徒、広間静香。彼女こそ、輝に嫌がらせをした張本人であった。




