398話 恐れたこと(※)
すみません。ものすごく遅くなりました。(>_<)
呼び出しを受けて、緊張がどんどん膨れ上がる。
だけど。
「ごめん。もう、こんなことはやめてほしい。そして、剣道部に二度と近づかないで」
大好きな人から告げられた別れ。自分が悪いことは、理解してる。理解はしてるが、気持ちの整理が追いつかない。
「ごめん。しばらく顔みたくない」
その言葉が止めだった。立ち去る喜一の後を追おうとした足から力が抜ける。
「うっ、うぅ」
溢れたくないのに涙が流れた。自分の醜さを知られて、どうしようもなく惨めで。
「どう、して・・・」
自分は好きな人に拒まれたのに。それでも、好きで。側にいたくて。
泣きながら、自業自得であっても、理不尽だと全力で叫びたかった。
そう、だから。
「あ・・・」
「え」
自転車置き場で出会うなんて、予想外だったのはどちらもで。
わき上がった怒りに支配されて、自転車から飛び降りると、がしゃーんと派手な音を立てて、自転車が倒れた。だけど、そんな些事に構わずに彼を思いきり平手打ちした。
「大嫌い! あんたなんか、大嫌いっ!!」
「このアマっ! 輝に何しやがる!」
ぎりっと手を捻って拘束される。
憎しみがこもった瞳は、しかし。
悲しみがこもった瞳とかちあって。
「広間静香さん。残念だよ」
その言葉に、広間静香は。
「あんたに何がわかるのよ!」
自分の気持ちを叫びながら、暴れたのだった。




