393話 私生活が壮絶? そんなことないけど・・・
「と、まぁ、私生活で色々ありまして。遅れました、すいません」
昨日のパーティーメンバーに事情説明を僕らは終えて、頭を下げた。
「さらっと重いこと言って来るとか! ビックリっすよ!?」
「私生活が大変なら、無理させたくはないのだが・・・」
「なんで、それを僕らに暴露するかな!? 何、つっこみ待ちなの!?」
「頭痛くなってきてんけど。え、本当に私生活、壮絶みたいやねんけど、大丈夫なん?」
僕はビシッとサムズアップして。
「マサヤにお任せ! または丸投げとも言う!」
「丸投げすな!」
ぱこーんと、頭を叩かれたが、じゃれあいの範囲内で収まってる。本気なら、武器振り回すからね、マサヤは。
「マサヤ。昨日の分のお前の取り分だ。取っておけ」
スレイが、さらりとマサヤにSPポーションを渡している。
「何かテルア関連で困ったことあったら、相談に乗るから。強く生きるんだよ?」
ぽんぽんと、カカシさんに肩を叩かれて、はぁ、と気のない返事をする。
「マサヤ、すごいっす。俺には真似できない。マサヤは勇者っす!」
ミキさんの言葉にピクピクと頬をひきつらせ。
「なんや、えらいこと巻き込まれんうちに、早めに逃げや? 三十六計逃げるに如かずやで?」
ほりっくわーかーさんに、普通に忠告されていた。
あれ? 僕の心配とかないの? ないんだ。マサヤばっかり同情されるなんて! いじけるよ、さすがに。
「今度マサヤにシヴァ印の特製漬物でも食べさせよ」
「小声で呟いてるつもりかもしれんが、聞こえてるからな、そこ!」
ちっ。地獄耳め。
「まぁ、いいや。ところで、昨日はどこまで進んだの?」
僕の質問に、全員の表情が悔しげなものに変わった。
「それについてなんだが。厄介な敵魔物がいてな。音楽室に入れなかったんだ。対策を立てないと、あれはヤバイ」
そんなにヤバイ魔物が出たんだ?
僕とマサヤは昨日の進捗状況の説明を受けたのだった。




