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384話 金閣銀閣のターン(※)

 金閣と銀閣は、現在二人きりで赤鬼の相手をしていた。と、いうのも、二人が合流するはずだったパーティーが襲いかかってきて、つい返り討ちにしてしまったからだ。

 そのため、悲しく二人で女学校内をうろちょろしている。体育館の通りは異世界人が多かったので二人は体育館とは反対側の、南校舎の方にいる。遠回りになったことは確かだが、この辺りは案外人が少ない。それもそのはず。彼らが通ってきた道には、たくさんの鬼が用意されていた。それも、通常では考えられないほどに強化された鬼たちで、一応、南校舎を目指したグループもいたのだが、鬼の強さに攻略を諦めて、別の行きやすい場所から校舎に侵入したのである。

 ところが、金閣銀閣は元々妖魔という種族であり、鬼とよく似た種族である。レベル差があるため、弱い鬼は近づいてこない。さらに、近寄ってくる鬼も、どちらかといえば金閣銀閣をボスだと思い込んでいる節があり、戦闘を避けて進むことが可能であった。時折、中ボスと思われる個体と何回か戦闘になったが、金閣銀閣の日常の練習相手は魔物軍団だったり、マクア特製のゴーレムだったりする。結果、苦戦? なにそれ?といった感じで エンカウントすると、さくさく中ボス個体を駆逐していく。

「!!」

「兄者!」

「わかっておるわ! そこな者、姿を見せい!!」

 ビリビリとした金閣の怒号に、空間が揺らいだ。次いで、姿を見せたのは、セーラー服姿の妙齢の女性であり、その両脇には彼女の護衛と思われる金銀の鹿の番がいた。

「あぁ、驚かせてしまって、ごめんなさい。この子たちの力でも見つけちゃうとは思わなかったわ。私を見つけたご褒美よ。受け取って?」

 セーラー服姿の女性は唇に人差し指と中指を当て、投げキッスをした。すると、ふよふよとしたハートが金閣銀閣の周囲を飛び回り、消える。

「今のは何だ?」

「ラブラブハートよ。お助けキャラや隠しキャラを見つけたり、女子生徒を助けたりするともらえるの。一定数溜めると、ご褒美がもらえるわ。せいぜい頑張ってね」

 そう言い残し、女性は金の牡鹿に乗って、去っていった。顔を見合わせてしまう二人。やがて、銀閣が最初に口を開いた。

「なにはともあれ、貰えるものはもらっておけばいいのではないか、兄者?」

「そうだな、銀閣よ。ひょっとすると、主に必要な物がもらえる可能性もある。余裕があるのならさっきのように、隠しキャラを探すのもよいかもしれんな。ひとまず、校舎に入ろう。先程の女が話していた“じょしせいと”を助けられるかもしれん」

 二人が出会ったのはレアキャラであったのだが、そんなことを知らない

二人は、とんでもない数のラブラブハートを入手したことに気づかないまま、南校舎の探検をするのだった。

 


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