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372話 学校でのバレンタイン騒動 2

 結局正也が受け取ったチョコは合計三つだった。一つは、剣道部部長からのもので、中身は日本一と書かれたチョコであり、気合い入れのためのものと思われる。もう一つは喜一からのもの、最後の一つが正也からのものだ。そして、正也が部室に行くや否や、他の部員に囲まれてしまった。

「おい、正也! なんか、変な話になってるぞ、お前と赤石」

「は?」

「ほら、これ。部室とか、うちの教室とか、色んな場所に貼られてるみたいで・・・」

 差し出された紙を一読して、はぁ!?とすっとんきょうな声が飛び出した。


 赤石輝は、男好き!? バレンタインデーには欠かさず渡すチョコの真相とは!!


 と、題された表題の下に、まるで輝が異性に興味などなく、同姓にのみ興味があるかのように綴られている。もちろん、チョコの件はともかく、男好きとかいうのは完全に誤解だ。まさか、輝も毎年のことをこんな風に取り上げられるとは思ってないだろう。


「それで、さっき、輝のやつ、先輩に呼び出されたらしくてさ、よくわかんないけど行ってくるって」

「場所は!?」

「た、体育館倉庫の裏・・・」

 思わず襟首をひっつかんで凄んだ正也に正直に答える部員。正也はすぐさま駆け出した。

 そして、情報通り体育館倉庫の裏に着き、見たのは。

「すまねぇぇえええ!

恩に着る!!」

「やった! ありがとな!!」

 チョコを貰って狂喜乱舞する連中だった。

「あれ? 正也、どうしたの?」

 不思議そうに正也が現れた理由を訊ねてくる輝。

「いや、お前が先輩に呼び出されたって聞いて心配になって、様子見に。チョコ渡してたのか?」

「うん。学校で使ってる学年の掲示板に、もしも欲しいなら、書き込みしてもらえたら、渡しますよーって返事したら、思いの外反響すごくて。ホワイトデーにマシュマロ貰えれば僕はそれでいいから」

 はぁ〜と長い嘆息が正也の口から漏れ出る。

「そっか。無事ならそれでいい。俺の早とちりだった」

 正也はくるりと向きを変えて、部室に戻ろうとしたときに、たまたまチョコを貰った一人がその事を輝に教えた。

「そういえば、お前、気をつけろよ。なんでかホモだって掲示板に書き込みされてたぞ。俺らは、そんなことないの知ってても、目隠しで写真とか載せられてたから、帰り、危ないんじゃないか?」

 正也はすぐに踵を返して、詳しい話を先輩たちから聞き出したのだった。



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