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370話 怒らせちゃいけない人

「す、すみません。まさかこんなことになるなんて、思わなくって」

 僕は小さくなりながら謝っている。僕の前には、怒気を隠そうともしないカカシさんがいる。

「まぁ、こっちとしても予想外だったのは認めるよ。まさか、魔物を引き連れて来るなんてね。顔合わせの時間は決めておいたはずだけど」

「いや、早い方がいいかなぁと思った結果だったんですけど。えーと、ダメでした?」

 ついついカカシさんに対して僕は敬語になってしまう。

「まぁ、ね。ここは、結構猛者がいたりもするから。危機察知のスキルが高かったりね。そのせいで半分ぐらい恐慌状態になったよ。おまけに、正確無比な射撃で、攻撃しそうになったギルメンを無力化したことも拍車をかけたし。それに・・・あの幻惑魔法、だっけ? 凶悪無比過ぎるよ、あんなの。延々、自分達の影と戦うとか、拷問だったって訴えまで来てたんだけど?」

「あ、それやったのチャップです。一応、すぐにやめさせました」

「他にも、毒を受けて大変だったっていうのは?」

「アンタレスと、ハイドの仕業です。まぁ、シヴァが毒消ししまくってたんで、一応死人は出てません」

「戦闘狂・・・」

「サイガたちにむしろ、嬉々として挑んでたギルメンはさすがに僕の管轄外だと思うんですけど」

 ちっと舌打ちされた! カカシさん、そんなに僕のこと嫌いなの!?

「あの、そんなに僕らのこと受け入れられないなら、やはりイベントは別々でやりますか?」

「今さら君たちを野放しにしたら、それこそ団員から文句が出るよ。見た目はともかく、全員が一級の実力者なんだから、実力的にはまったく問題ないし」

 ほっと安堵したのも束の間のことだった。

「だけど! 何か問題が起きる度に苦情と抗議が来て、後始末するのが誰になるかは、言わなくてもわかるよね? 苦労するのも誰か、大体わかるよね? だから、イベント中は僕の愚痴に付き合ってもらうから」 

 乾いた笑みしか浮かばない。なんだか、とんでもない人を怒らせてしまったようだ。

「えーっと、ひとまず、皆共々、よろしくお願いします」

 お願いすることでしかカカシさんの怒りは解けなさそうだ。よく言うではないか。長いものには巻かれろ、と。

 ひとまず、僕はカカシさんを怒らせちゃダメなことは、このあと全員に徹底周知しようと思った。


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