365話 バレンタイン騒動 6
さて、何故これほどタイミング良く、三人トリオが現れたのかをマサヤが問い質すと。
「それは、もちろん、こやつが我らの獲物だったからよ。探して、生け捕りにするために、我らはヤマト殿へ協力を仰いだのだ。ヤマト殿がいれば、拠点を築いておけば、そこまで案内してもらえるし、山で遭難することもないのでな」
金閣の言葉を銀閣が引き継ぐ。
「そう、我らは待っていたのだ。ヤマト殿は、近づいてる気がするから気を抜くなと言われてな。それで、ヤマト殿に我が術で巨大化してもらって、上空から獲物を探しておったのだ。そして、見つけたところに、チャップ殿らもいたと、そういうわけだ」
「いやー、誰かに獲物を横取りされるかと思って焦ったぜ。金閣銀閣が生け捕りにしてくれたし、これでようやくチョコが作れるな!!」
金閣が握った鎖の先には、メェェエエと鳴く巨大ヤギが一頭いる。
「あなたたちも、チョコ作成には入ってなかったのですか。どうです? 締め切りまでに仕上がりそうですか?」
「そりゃ、大丈夫だぜ、チャップ! とびっきりのチョコ職人に、依頼したからな。これから、そいつに材料を渡してくれば、作ってくれるはずだ」
ヤマトが自信満々に言いきるが、こちらでも作成に関しては他人頼みのようだ。前段階は自分たちが請け負っているので、手抜きだとは言いにくい。
そもそも、職人にチョコを作ってもらうということが、ものすごく贅沢ではなかろうか。
「俺たちが材料を集めて、あいつは俺たちのために、チョコをつくる。残った材料は当然全部あいつ自身のものにしていいってなってんだ。きちんとWin―Winの契約だぜ。それに、俺らが料理できるわけないだろ。変な錬金物体になったらどうするんだ」
もっともな言い分に聞こえる。聞こえるのに、何故か納得しがたいものがあるのは、何故だろう。
マサヤは、悩むが、チャップは、特に問題にすることもなく、わかりました、と返事をした。
「それでは、出来上がったら、お城に持ってきてくださいね」
こうして、進捗状況の確認は終了したが、マサヤはちょっぴりだけ不満だった。口には出さなかったが、これでいいのか、本当にとつっこみたくて仕方なかった。
そして、バレンタイン当日。マサヤにテルアと一緒に来てくれるよう、メールが届いた。




