344話 またしても
魔物を全滅させると、広間の中央に宝箱が出現した。
それを開けると、中からさっきの魔物が使用していた鎌が出てくる。
宝箱には全部で三個入っていた。
魔者の鎌 腕力+25 闇属性 即死効果60%
スカラベのお守り 体力+10 運+10 即死効果無効
1,500,000ギル
を入手しました!
・・・・・・急所に一撃加えると即死効果が付いてる、魔者の鎌とかいう名前らしい。
こんな物騒なものいらないよ!?
一応、アイテムボックスにしまいながら、僕は嘆息してしまう。
「ふぅ。ちょっと休憩したら、進もうか」
「いや、待て、テルア。なんか、文字が出てるみたいだぞ」
マサヤの視線の先には扉に浮かび上がった文字がある。
汝等は出会うだろう。目覚めぬ黄金の王は悠久の時を経て、甦る。
「不親切な言葉だね。せめて、ふりがなくらい振っとけばいいのに」
「そこか、気にすんのは!?」
「あ、あとこのスカラベのお守りマサヤが身に付けるといいよ。僕は一応、耐性持ってるから。・・・シヴァの薬はヤバイ」
後半の呟きにマサヤがん?と振り向いたが、僕は笑って誤魔化した。シヴァの薬は、適量の服用で耐性を得られるのだ。嫌々やったことがこんなところで役立つとは思わなかった。何でもやっとくもんだね。
ひとまず、広間の奥にあった階段を進んで、六階に降りる。そこで、僕らは長い廊下を行く途中、また、見つけてしまった。
「助けて! お願い、サジュンを助けて!」
さっきの落とし穴にはまっていた女性が、青年に肩を貸しながら涙ながらに僕らに頼んできたのだった。




