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331話 敵の恐ろしさを身をもって知る(※)

 リュードは、床に身を転がしながらぼんやりしていた。

 敵というのは、身内だけではなかったんだなぁ。

 そんなことを考えながら、青い天井を見上げる。いや、それはすでに天井ではなく吹き抜けになってしまい、覗いた青空であるのだが。

 なんでこんなことに、と思わずにはいられない。

 原因はわかっているのだ。

 あの、新しくクレスト様の眷属になった無礼な少年が、にこやかに巨人マクアと、数えきれないほどのゴーレムを持ってきた日からこの城はバトルロワイヤルと化した。

「戦うのが皆さん大好きなんですよね? なら。こういう贈り物が一番喜ばれるかと思いまして」

 持ってきたときに、顔を一目見て嫌な予感を感じ取っていたのだ。

 まさか、百体近くのゴーレムが破壊不可、廃棄不可、さらには成長していく機能がついてるとか、クレスト様の眷属の誰もが予想外だった。

 おかげで、休みなし、徐々に上がっていくゴーレムの技量、相手は疲労なしという、とんでもない戦場となってしまった。もちろん、武に優れたクレスト神らの眷属なのだから、当然眷属らも一騎当千の剛の者たちであることは否定しない。否定しないが、生き物である限り、疲労は蓄積されていき、睡眠や休息だって取りたい。

 それを知るかとばかりに、休息できぬよう、ゴーレムたちは襲いかかってくるのだ。

 まるで、悪夢のようだ。

(どうすりゃいっかねぇー。飛行型とか、地上型とか、千差万別っちゃ、万別だけども)

 対処できていたのは始めの数時間だけだった。時間が経つにつれ、数が増していくゴーレムにはもはや恐怖しか感じない。幸い、増えたゴーレムはきちんと破壊できて安心したのも束の間、壊されると理解したゴーレムは各地に散って、罠をせっせと作り始めるようになってしまった。

 正直、言いたい。

 ここまで容赦なくやるか、と。

 明らかにこっちを殺りに来てる凶悪無比さだ。

「これはないだろうよ、本当。あぁー、新人はただの新人じゃなく、容赦ない報復しちゃう、怖い新人だったのね。この糞みてぇな戦場から逃げたら、なんとかしてもらえるように、手ぇ打つか。それがいつになるか、わかんないけどー」

 それまで生きていられるかが、どうやら最大の難問だと思いつつ、自分に群がるゴーレムを相手するために立ち上がったのだった。

 


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