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326話 ガーン!! (>_<)

 僕が嬉々として氷漬けのキマイラを持ち帰ろうとしていると、じいちゃんから待ったがかかってしまった。

 キマイラは一応クレストのおじさんのペットになるから、許可なく持っていくと窃盗罪になるらしい。

 そんなぁ! こんなに理想的なもふもふを手放さなきゃいけないなんて!

 でも、じいちゃんの言う通りではある。

 仕方ない。今度どこにキマイラが住んでるのか、クレストのおじさんに教えてもらって自分で捕獲してこよう。

「それじゃ、この子、返すねー。はい」

 僕がキマイラを手渡すと、門の内側から姿を現した少年は戸惑いながら受け取った。見かけによらず、膂力が強いようだ。もう一人の黒髪の少女もそうなのかな?

「えーっと。お前ら、誰?」

「あ、どうも、初めまして。僕はテルア・カイシ。こっちはジャスティスじいちゃんと、大きいのがマクアさんです。今日は、クレストのおじさんにちょっと頼み事が・・・うわっ!?」

 僕がすらすらと説明していると、唐突に、青銀髪の少年に切りかかられた。

「おい、今、なんつった? クレストのおじさん(・・・・・・・・)? まさかとは思うが、武神クレスト様のことをおじさん呼ばわりしてんのか、ああん?」

「え? え?」

「・・・クレスト様を侮辱。許さない」

 戸惑ってる間に少女までどうやら激怒させてしまった。

 つい、じいちゃんを振り返ると。

「テルア。さすがの儂も弁明できん。ここはクレスト神のお膝元じゃ。呼び方一つでも、こやつらには、大問題なのじゃよ」

 ええーっ!? 不用意な発言した僕もそりゃ悪いけど!

そういうことは前もって教えてほしかったよ!

「あ、あの、じいちゃん。助けてくれたりとかは・・・」

「いや、さすがに儂も他の神の眷属とのもめ事は、面倒じゃぞ。主に後始末の面で。他の神に喧嘩売ったと思われかねん」

 確かに。思わず納得してしまう。と、そうこうしてるうちに、少年と少女が二人で切りかかってきて・・・。

「・・・・・・いい加減にしてくれる?」

 苛立った僕は鋼糸で二人の動きを拘束した。

「あのさ、こっちの話もちゃんと聞かずに襲いかかってくるのはどうかと思うよ? いや、本当に」

「ふむ。なかなか興味深いことをするのぅ、テルア」

「な、なんだ、これ!? う、動けねぇ」

「・・・・・・・・・・侵入者に、不覚を取るなんて・・・っ」

 説明しよう! 鋼糸にちょっとした結界を施してあるので、力業ではほとんどほどけないようになっているのだ。

 まぁ、クレストのおじさん相手だと、それでもあっという間に弾け飛んじゃいそうだけどね。

 日々、僕の戦闘技術もクレストのおじさんやククさんや、じいちゃんたちによって向上しているのである!

 うっわぁ、自分で言ってて虚しくなるよ。

「ぐっ、この! 動けたらお前なんてボコボコなんだからな!」

「・・・・・・この程度で、勝ったと思わないで・・・え?」

「邪魔なんだな、お前ら゛」

 マクアさんは二人の首根っこをひょいと掴むと、ぶん投げた。城の内側へと向かって。

「うわぁぁああああ!?」

「きゃぁあああああ!?」

 すさまじい勢いで人が空中を飛ぶのって、僕、自分以外では久々に見たよ。っていうか。

「俺のゴーレム造りの邪魔はざぜん」

「じいちゃん、これってクレストのおじさん家に殴り込みに来たように思われるんじゃ・・・・・・」

「う、うむ。まずいのぅ」

 僕らの予想を裏付けるように、ぞろぞろと城の内側から、人が出てきたのだった。


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