314話 やりすぎはダメだという見本
「おーい、輝。今日、数学の時間先生睨んでたぞ」
「だから、コーヒーオレ飲んでるんじゃん」
「目がちょっと、虚ろだし、クマできてるし。ひょっとしてゲームか?」
一時間目と二時間目は完全に沈没してしまっていた。うう、先生ごめんなさい。
「後でノート取らせ・・・いや、いいや。正也のノートじゃテスト対策には不十分だし」
「何気に失礼だな!? お前!?」
「誰にノート頼もうかな・・・」
あーダメだ。眠い。少しだけ寝ちゃおう。
僕はカフェオレを飲んでも、睡魔には抗えずにそのまま三時間目に突入してしまった。結局、同じクラスじゃなく他のクラスの子にノートを見せてもらうことになったのだった。
ついでに昼休みに先生からも呼び出しも受けてしまった。
「お前なぁ。ちょっと、テスト終わってすぐだからって気を抜きすぎなんじゃないか?」
「・・・・・・すいません」
「さすがに今日はひどかったぞ。ちゃんと夜はしっかり寝ろよ。ゲームばっかりやってると赤点とるぞ」
「すいません。肝に命じます」
「まぁ、あれだけ寝たんだ。午後からはちゃんと起きてろよ? さすがに一日寝て過ごすとか、学校来てる意味ないからな」
「はい」
担任から解放された僕は、反省し、今日のゲームへのログインは見送ることにした。めっちゃ気になるけどね!
さすがに、勉強に支障をきたすような真似は避けたい。じいちゃん宛にメールを作成し、きりのいいところで終わる修行メニューにして欲しいと、じいちゃん経由で、ククさんに頼んでおいたのだった。
今日は、帰って勉強だなぁ。ゲームができて、勉強できないなんて言い訳だと両親に怒られたくはないし、さすがに少し自粛したい。ゲームは無理をしすぎても楽しくない。ある程度で、楽しめればそれが一番なのだ。
家に帰ってからの勉強メニューを考え、ついでに今日はゲームではなく現実のもふもふに癒されることにしたのだった。
やっぱりたまにはお散歩とかにも行って、体動かさないとね! 目を休める意味でも重要だ。
そして、僕の日常生活に支障が出ていることを知ったじいちゃんが、ククさんを一喝+お説教したと聞かされたのは、翌日のことだった。




