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305話 魔界を目指してゴー! 1

 すみません、遅れました。

 結局、マサヤに捕獲(?)されて、マサヤが所属しているギルドに連行されていった。

 誰もが、唖然としてる表情に、僕は思わず笑ってしまった。

「まさか、マサヤが剣士ギルドに所属してるとは思わなかったよ。でも、なんかみんなビックリしてるみたいなんだけど」

「あぁ、主にお前のせいだな」

 若干あきらめ調子になってるマサヤがマクアの指を背負ってる。僕が持って、振り回すとホラーにしかならないとのことでマサヤが持ってくれた。アイテム袋に入れればいいだけなんだけど、そこまで頭が回らなかったらしい。マサヤも変なところで抜けてるね。

「それ、マクアの指!? なんで!?」

 どたばたと足音を立てながら駆け寄ってきた一人のプレイヤーが叫んだ。

 叫びながら、勢いよくマサヤに飛び付くと、その首を絞め始めた。

「ど、こ、で、手に入れたぁあああ! 答えろぉぉおおお!」

「そんな、マサヤが女性に抱かれてるなんて!?」

「ふぬぬぬぬぬっ!? た、たす・・・」

 あ、そろそろマサヤがヤバそう。仕方ないなぁ。

 僕は鋼糸で、マサヤの首を絞めてる腕に張り付けて、放す。

 ごほごほと咳き込むマサヤが、慌てて女性プレイヤーから距離を取る。

 女性プレイヤーは、邪魔した僕をきっと睨むが、僕が視線を合わせるとギクリとした。

「おい、テルア! もっと早く助けろよ!そもそもお前が持ってきたんだろ、これ!」

「うん、だから持ってても困るからマサヤに相談したんだって。そもそもマサヤ、なんでアイテム袋になおさなかったの、邪魔になるのに」

「はっ!? 気づいてたなら教えろよっ」

 抗議されて、僕は肩をすくめた。そこに、見知った二人が声を掛けてくる。

「騒がしいな」

「何の騒ぎ、これ?」

 大柄で、威圧感溢れる男性と、イケメンに分類される優男。

「だ、団長!」

「あ、スレイさんにカカシさんだ。こんなとこで何してるの?」

 僕の質問に、二人は呆気に取られた。

 マサヤが、慌てて僕の口を塞ごうとしてきたので、ちゃんと避けておいたが。


「バカ! この二人がこのギルドの中心メンバーで団長・・・スレイさんはギルドマスターだぞ!?」

「ギルドマスター・・・あ、それならさ、余った回復薬買ってくれない? シヴァが作りすぎちゃってさ〜。おまけに、酒呑がなんか色んな漬け物作りすぎたって持ってくるし。正直、全部合わせて十万個とか、使わないよ、僕、魔法使えるし」

 まぁ、仕方ないんだけどね。たった三日で、酒呑から送られてきた漬け物はもはや五万個に達しているのだ。百年も経てば色々溜まるらしい。

 こんなにいらないよ、本当。

「後で、見せてもらっていいか?」

「もちろん! 多いけど、食べたり使ったりしていくと、耐性も得られるから、人数多いなら、まとめ買いしてもらえると助かるなぁ。素材集めには事欠かないし。みんなが修行をかねて色々やってるから」

「それは良いな。是非話を進めたいところだ」

 ごほん、とカカシさんが咳払いをした。

「団長、話が脱線してるんだけど」

「すまない、その話は後で。それで、一体何を騒いでたんだ?」

「この人たちが、マクアの指を持ってきたんですよ! あれに追いつけるなんて、どうなってるの!?」

 あれ? そんなに驚くようなこと? 僕は不思議に思いながら、答えた。

「別に、鋼糸使えば捕獲なんて簡単だったけど」

 ぎっと、女性プレイヤーに睨まれる。

「鋼糸ってなに!? そんなスキル使えるの!?」

 あれ? すごい、食いつかれた。

 スレイさんがガシッと僕の肩を掴んだ。

「詳しく話を聞かせてもらおうか」

 スレイさんとカカシさんが、ギラギラした瞳ですかさず僕を逃がさないようにしたことは言うまでもない。


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