301話 イベント後の手合わせ 3
少し、厄介だな。僕は素直にそう感じた。もはや、後はないと悟ったのか、死にもの狂いで、僕に攻撃を仕掛けてくる。
特に、厄介なのが金閣とサイガとチャップの連携攻撃だ。金閣は、その図体に似合わず、豪快というより、技術と膂力で勝負するパワーファイターだ。武器も矛という中距離系の武器であり、牽制や風圧でこちらを攻撃してくることも可能だ。一度倒した分、前よりも弱くなっているはずなのだが、それでも能力値はそこそこに高い。さらに、相棒である銀閣が倒されて、今は能力値が上がっている。軽くいなせる程容易くはない。
チャップは、魔法を混ぜながら、攻撃を仕掛けてきた。金閣が僕の動きを止めると、チャップが僕へ剣を降り下ろす。その先端から、熱が伝わって来ており、僕は回避しながら、チャップが放つ魔法を、防ぐ。サイガは、そんな二人が作ってくれた隙を逃さずに打ち込んでくる。正直、防御で手一杯だ。
さらには、そこに飛んでくる必殺の意志を込められた矢の殺気に反応するなというのは無理な話だった。
だが、やはりまだまだだ。僕はそう感じる。勢いで組んだなら、本当に大した連携だけど、温羅さんの攻撃はもっと激しいし、じいちゃんの魔法とクレストのおじさんの連携は二人なのに手数が凄まじい。
それらに対峙したことのある僕には、捌けない攻撃ではなのだ。
どんなに強力な技も、当たらなければ意味はない。
風圧がどれだけすごくても、次の攻撃がどこに来るか予想していれば直撃は受けない。
支援魔法で支援していても、ステに差があれば、焼け石に水といった効果しかない。
そして、その時は来た。金閣のステータスブーストが終了する。
この瞬間を待っていた。
支援魔法で一気に加速する。
金閣の矛を小太刀ではねとばし、そのまま、光刹斬を叩き込む。金閣が沈んだ。次は距離を開けているナーガへと向かった。ナーガは一瞬瞠目したがすぐに立て直して弓矢の攻撃をかけてくる。その足元がいきなり抜けた。こっそりと地魔法で掘っておいた落とし穴に巧妙に誘導し、落ちてしまったのだ。
残りのチャップ、サイガ、ヤマトも後はもう、流れ作業のように、やられてしまったのだった。




