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295話 イベント後 1

 僕は、放課後になると家に直帰した。まぁ、当たり前だ。すぐにゲームの準備をはじめて、「ファンタジーライフ」にログインする。出たのは、始まりの街、アールサンだった。

 ここに出るなんて少し意外だったけど、まぁ、問題はないと判断した僕だったが。

 その時運営からメールが三通届いているのに気づいた。中を確認すると、イベントの結果通知だった。

 そこには、総合順位第88位、と書かれており、添付には、総合ランキングの景品である、ポーションセットと、イベントランキング限定武器である村雲(ムラクモ)の剣が入手できた。

 うーん、形状があんまり好みじゃないけど、使えるなら使ってもいいかなぁ。

 最悪オークション行きかもしれない。

 さらに、もう一つメールが来ていた。そこには、日刊ランキングの結果が来ていて、最終日に何故か僕が一位になっていた。

 その景品として、称号が追加されていたんだけど、追加されていた称号がひどかった。


「ゲテモノマスター」・・・悪魔系魔物、昆虫系魔物、海洋系魔物、その他に属する魔物の捕獲率が大幅にアップする。


「なんで、なんで、もふもふマスターじゃないんだぁ!」

 これじゃあ、獣系魔物に好かれないじゃん! どうして、こんなゲテモノマスターとかいう称号が来たわけ!?

 ひ、ひどい。僕のどこがゲテモノマスターだ!

 そこで、自分の仲間である魔物軍団を思い出してみる。三つ目蛞蝓のシヴァ

吸血蝙蝠のブラッド、黒岩大蜘蛛のハイド、悪魔兵兵隊長のチャップ、ヤタガラスのヤマト、金閣に銀閣・・・くっ、ゲテモノ好きとかじゃないけど、ゲテモノマスターと呼ばれても仕方がない面子かもしれない。


「はぁ、まぁ、これはもうどうしようもないから置いとこ。ひとまず、イベント会場だった島がどうなったか、だよね。みんなと合流できるかなぁ」

 そんな僕は、不穏な足音が近づいてくるのに気づかなかった。

「テルァァアアア!!」

 名前を呼ばれて振り返ると、がっと思いきり抱きつかれ(補足され?)怒濤の勢いで泣かれた。

「すまん、テルア!儂が課題なんか出したために、お前が鬼神に拉致されて、理不尽イベントに巻き込まれたと聞いて、いてもたってもいられず!」

「ちょ、じいちゃ、くるし・・・」

「くっ、やはり異国の神に任せるなどするべきではなかった。儂の可愛い孫を痛めつけおって・・・絶対に許さん!」

「いや。ちが・・・とりあえず離して!!」

 僕はじいちゃんに遠慮ない水魔法をお見舞いして、どうにかじいちゃんの腕から抜け出したのだった。

 はー、はー、はー、抱き潰されるかと思ったよ、じいちゃんに。HPが半分ほどに減っている。あのままだったら、確実にじいちゃんに死亡させられていただろう。

 さすがは魔神のじいちゃん。見た目よりもよっぽど、チートだね。

「じいちゃん、こんな人目につくところでいきなり泣かないで!? なんか、僕がじいちゃんいじめた風にとられかねないから!」

 おいおいと泣き出したじいちゃんを引きずりながら、僕はひとまず、街を出た。

 道いくプレイヤーや、NPCの住人の視線が痛かった。


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