表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
295/424

294話 大混乱の島

「さぁ、吐いてもらおうか。一体、何がどうしてこうなったんだ、あぁ?」

 登校するといつものごとく正也に捕まり、何故か尋問を受けていた。

 来たばかりで、僕には何のことかわからず、いつも通り何のこと?と聞くと、携帯端末を差し出される。

 そこには、僕にとっても衝撃的なニュースが書いてあった。



 緊急速報!鬼ヶ島で地震発生!!


 島の中心部で、推定マグニチュード5,1の地震が発生。このため鬼ヶ島は津波が押し寄せ、現在混乱している。イベントどころではないこの騒ぎに、プレイヤーもおおいに戸惑っている。運営側からの発表としては、これもイベントの一部とされているが、なぜこんな地震がイベントになるのか理解しがたい。プレイヤーからも多数の抗議文が寄せられているようだ。ただ、幸い村人は闘技場近くに建てられていた建築物に避難したために、津波に巻き込まれた者はいないようだ。頑丈かつ大きな建物で、宿屋として使用されていたために、大人数を収容することが可能だった。制作者が誰かは不明だが、是非とも一言この場を借りてお礼を言いたいところだ。現在、混乱してはいるものの、人数確認や被害状況の確認を推し進めている。


 短い記事だったけど、わかりやすく簡潔に事実のようなことが書いてあるためか、コメント数がすごい。

 と、いうか本当に簡単にまとめたな、この記事書いた人すごいや。


「で、どうなんだ? 本当になんにも知らないのか?」

「うーん、僕も実はどうなったかについてはよくわかんないんだよね。なんで、地震が起きたのか、とか」

「なら、これは?」

 正也は携帯端末を素早く操作した。ゲーム運営会社の公式発表のようだ。読み進めて、僕は唖然となる。

 なに、これ?


「正也。この発表って・・・」

「だろ? 俺がお前を疑うのもムリないだろ?」

 うん、そうだよね。だって、公式発表で、でかでかと鬼神イベント!とか書いてあるし、僕と温羅さんの闘技場イベのスナップまで張ってあるし。

 文の方は簡単で、実は今回のイベントでは隠しイベントとして鬼神イベントが設定されており、その鬼神イベントが発生したために、鬼ヶ島では地震が起きた、と公式発表されてるのだ。

 本当に、僕がゲーム内で死亡してから何があったの!? と言いたくなる。


「うーん、昨日ちょっと温羅さんに連れられて、岩窟洞? とりあえず、洞窟っぽいところに行って、それで・・・・・・」

 キーンコーンカーンコーン。

 僕が説明しようとしたところで予鈴が鳴る。

「あ、ごめん、正也。一時間目小テストあるから、続きはお昼休みに話すよ。一言では説明しにくいし」

「ここまで気をもたせておいて、お預けとか、鬼だな、お前!?」

 文句を垂れつつも、渋々正也は自分の席に戻る。小テストの勉強をしないのはまずいと判断したのだろう。こういうところで点数を稼いでおかないと赤点になったりするのだ、実際。

 正也の気持ちもわかるけど、一番あのあとどうなったのかが気になってるのは僕の方だ。

 温羅さんは? 酒呑さんは? あの場にいたみんなは、無事だろうか。一応メールをじいちゃんに送っておく。


 そんなことばかり考えていると、時間の流れというものは遅い。じりじりと焦燥にも似た気持ちを抱えながら、その日の授業を全部終えたのだった。

 ちなみに昼休みに話を聞こうとした正也は、追試の件でクラブ顧問にドナドナされていったのだった。南無。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ