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258話 予想外の厄介事

 僕は、夜の森を疾駆していた。それも全力疾走で。いや、まさか、あんなことになるとは思いも寄らなかったよ。

 このまま、闘技場に向かっても大丈夫かどうかは知らない。そんな余裕はない。とりあえず、みんなやマサヤ、それにできることなら、温羅さん辺りにでも助力を求めたい。あれは一人での相手は無理だ。

 後ろから追いかけてくる存在の圧迫感(プレッシャー)をひしひしと感じながらも足は止めない。

 やがて、僕の目指す目的地が現れる。

 あー、どうしよう。人目がありすぎる。このままだと混乱は避けられそうにない。でもさ、これ、僕のせいじゃないよね? 

 言い訳しつつ、ちらりと後ろを振り返ると、夜の闇の中にも関わらず、ゴロゴロゴロゴロと、不吉な音がきっちりと追いかけてきている。

 後ろの存在はまだ僕に追いつこうとしているようだ。いい加減、あきらめてくれないかなぁ。このままじゃ、全然イベントをこなせないよ。

 嘆息しつつ、僕は闘技場の中にいる温羅さんを頼ることにしたのだった。


「温羅さん!! 助けてっ!!」

 僕は、温羅さんを見つけると、その背中にさっと隠れた。後ろから、阿鼻叫喚の悲鳴が聞こえてくる。

「なんじゃ、なんじゃ。そげんに慌ててどうかしたんか?」

 温羅さんが戸惑いつつも、僕に事情を訊ねてくるが、すぐに不吉な音に気づいたようだ。

「は? ちょぉ、待て!!なんで、あいつがここに!?」

 温羅さんが制止を掛けるが、その存在は止まることなく僕らの方へと突っ込んできて。

 結果、温羅さんの抜いた大太刀によって、 何度も斬りつけられて、屠られる一歩手前までダメージを受け、ようやく停止したのだった。


「ありがとう、温羅さん。助かったよ」

「いや、何があったんじゃ!? わーにも分かるように説明してくれや!」

「あー、そうですね。じゃあ、とりあえず、ちょっと前にあったことから説明するよ。と、その前に闘技場の武闘会の方はどうなってるの?」

「ん? それなら、鬼人族VS異界人で盛り上がっとるはずじゃ。鉄斎が、挑発したけぇの」

 それはまた、おもしろいことになってるようだ。みんなが、リングの方に注目してるなら、ある意味都合がいい。

「で、何がどうして、雷神のやつに追いかけられたんじゃ?」

 そう、僕を追いかけてきていたのはでんでん太鼓を背負った雷神としか形容できない存在だった。それに、全力疾走で追いかけ回されたのだ。よく、無事だったものである。

「僕にもよくわかんないんだけど・・・なんか、勘違いしたみたいで」

「勘違い?」

 僕は、ひとまず、雷神に追いかけ回される羽目になったきっかけを温羅さんに話したのだった。





次→9/8 19時

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