252話 鉄斎
「えーっと、それじゃあ鉄斎さんが、エクストラバトルするの? でも、相手どうしよう」
募集して人を募ればいいだろうか。考える僕に、鈴音さんが、そっと耳打ちした。
「ええーっ!? ちょ、本気なの、それ!?」
「なんだい、何か問題でもあるかい?」
「いや、でも・・・」
ふんぎりがつかない僕に、鈴音さんが、ふっと自信満々に微笑んだ。
「ついでに、ちょっとした賭けでもやれば、胴元として一儲けできるからね。こんな大層な稼ぎ時、そうそうないんだよ!」
鈴音さんのやる気は満々で、僕では止められそうにない。
結局、僕は好きにやっていい、と許可を出してしまった。あぁ、後で運営から注意喚起のメール届かなきゃいいけど。
「ところで、もしもあんたなら、どっちに賭けるんだい?」
「んー、じゃあ鉄斎さんに五百で」
少し、不満げに口を尖らす鈴音さん。
「ずいぶん、慎重だね。まぁ、のめりこむよりかはましか。それじゃあ、準備してくるよ。まぁ、あんたの許可さえ出たなら、告知するだけだけどね」
鈴音さんは、僕らの試合中に色々裏でやっていたらしい。すごいなぁ、と素直に感心しながら、僕も告知のために闘技場に戻るはめになったのだった。
「では、まだまだ時間はあるということで、エクストラバトル第二段を開催する運びとなりました〜。今回はなんと! 二度とはないかもしれない、夢のような対戦カードになりましたよ〜。楽しみですね〜♪」
司会役である春さんがほわほわと解説をしていく。注目度が非常に高いようだ。まぁ、それも当然かもしれない。
「さて、試合は気になるけど、先にやることがあるな」
告知はしたし、一応の責任は果たした。まず、やらなきゃいけないのはみんなとの合流だ。
試合で、倒されてしまったが、魔物組は僕と繋がりがある。そのため、神殿に行けば、お金を払うことになるが生き返らせることができるのだ。この辺りはゲーム仕様というわけである。
神殿に向かおうとして、僕は、足を止めた。どの神殿に行くか迷い、僕は、クレストのおじさんが奉られてる神殿に行くことにしたのだった。
次→22時




