表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
250/424

249話 エクストラバトル 11

遅くなりました。すみません。(´・ω・`)

 嘆息が口を突いて出てしまう。ここから先は、純粋に時間稼ぎくらいにしかならない。

 僕はミルカスレーグイに声を掛けた。

「耐久勝負だけど、大丈夫?」

 頭を甘噛みされる。ミルカスレーグイに感謝しながら、僕は再び集中力を高めた。

 手にするのは、じいちゃんお手製本の『魔物大辞典』と『魔法大図鑑』。

 本当は、一つはきちんとした剣が欲しいところだけど、贅沢は言ってられない。

 払い、薙ぎ、斬り伏せる大太刀。

 本で、さばき、防ぎ、かわしていく。

 あぁ、本当に防ぐだけで手一杯。

 集中を切らしたら、その瞬間、喉笛に喰いつかれるだろう。

 生死ギリギリの闘い。

 あーもう、きっついなぁ。

 苦しくて、届かないことが悔しくて。

 なのに、楽しい。

 ほとんど勝ちめのない相手に、自分の力がどこまで通用するか。

 鋼糸も使用してみるけど、あ、通用しなかった。いよいよ打つ手がなくなる。

 でも、せめて一撃はいれたい。

 隙ができないのは理解してる。ならば、攻撃の癖から次の手を先読むしかない。一手、二手など、ちんけなことはしない。やるならば、最低五手先までは読みたい。

 情報を、蓄積していく。どんな攻撃パターンを使用しているか。分析していく。

 まだだ。まだ、まだ足りない。

 確実でなくても、せめて五割は欲しい。

「防いどるだけでは、わーには勝てへん」

 温羅さんが大太刀を僕目掛けて投げつけた。しまった、一瞬反応が遅れた!

 僕は大太刀を避けるのに精一杯で、伸びてきた拳打を顔面に受けてしまう。さらに、足払いで体勢を崩されてしまった。

「終わりじゃ!」

 僕の体からミルカスレーグイが離れた。

 びゅぅぅううう!

 僕は咄嗟に息を止めた。

「うぐっ!? 臭ぁ!?」

 ミルカスレーグイの吐く息は臭く、怯ませるには十分だ。その間に僕は体勢を立て直す。


「なんでや。なんで、倒れん!? どこまでしぶといんじゃ!!」

「しぶとさは、害虫並だって言われてるんで!」

 反論しながら、僕は飛龍のナイフを構える。

「花烈大破!!」

「小賢しいんじゃぁあああ!!」

 距離を置き、仕切り直しだ。


 いつまで続くのか、か。温羅さんには悪いけど、あと、一時間は持たせないと駄目なんだ。温羅さんには退屈かもしれないけど、付き合ってもらうよ。


 だけど、僕の予想よりも早く、僕の能力(スキル)は確実に少しずつ底上げされていっていた。それは、あまりにも長い時間、戦いが続くことを意味していたのだった。


 だけど、長々と続く闘いは、唐突に中断された。乱入者が現れたからだ。

 リングの上に着地したそのプレイヤーは。


「マサヤ・・・・・?」

「こんの、アホ! バカ、マヌケ、スカポンタンの考えなしがぁぁああああ!!」

 僕は、泣きながらがくがくユサユサとマサヤに揺さぶられるのだった。



次→ 9/3 19時

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ