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237話 エクストラバトル

 気づけば全員でカード勝負をして、わいわいがやがやとやっていると、そこに大カラスが一羽、窓から入ってきた。

 途端、ピタリと声が止んだ。ヤマトが口を開く。

「どうした? 何か問題でも?」

「そ、それが闘技場の勝負がついたようでして。その後、どうしたものかと」

「もう決着がついたのか」

 ナーガが眉をひそめる。まだまだ日は高い。このまま終わりするのでは、イベントが盛り上がらない。と、いうよりも。

「まだ、三十分ぐらいしか経ってないのに。やっぱり温羅さん、強いんだなぁ」

 僕の目から見ても、実力者っぽいプレイヤーたちがいたのに、倒されちゃったのか。

「ねぇ、ヤマト。エクストラバトルって準備できる?」

「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」

 僕はこきこきと首を回して、グーパーグーパーと手を握る。

「最近、バトルとかやってなかったからさ。僕もやりたいんだ」


 バトル狂と言うなかれ。じいちゃんとクレストのおじさんに対峙する未来がそこまで迫っているのだ。それなのに、まったく戦闘をしないというのは、まずい。絶対にボコられる。

 なので、今のうちに格上の相手と戦っておきたかった。勘も取り戻しときたいし。


「一人だと、やっぱりきついだろうから、僕とこの場にいる魔物組全員で戦うっていうのはどう? それなら、イベントとしては成立するんじゃない?」


「できないことはない。が、そうするとかなりの時間戦うことになる。大丈夫なのか?」

 サイガが、心配してくる。

「サイガ。大丈夫。そう簡単にやられたりしないって。僕はテルア・カイシ・クレストなんだから」

 あまり、心配させるのもどうかと、覇気を使用する。

 びくりとその場の全員が震える。

 あ、やり過ぎたかな?


「話はきいちょった! おもしろいことになっとるなぁ!」

 ばたん、と部屋の扉が勢いよく開いた。

「立ち聞きは感心しないんだけど、温羅さん」

 僕は気づいていたけど、他のみんなは気づいてなかったようだ。

「おもしろい、おもしろいなぁ! これほど、楽しみなのは久しぶりじゃけん! 早速、手続きをしてくれんかの!!」


 温羅さんは上機嫌だ。あ、やっぱり温羅さんは、クレストのおじさんと同タイプだったか。


「話は決まったみたいだね。チャップ、シヴァ、ハイド、エクストラバトルの手続きとか準備をお願い。ブラッド、ヤマト、ナーガ、サイガ。大々的に告知をしてくれる? せっかくだし、みんなで盛り上がろう!!」

 テストからの解放感で、多分浮かれていたんだと思う。ついつい僕は調子に乗ってしまった。

 まさか、負けたプレイヤーたちが興味津々でほとんど、闘技場に残ったままなんて、思わなかった。

 みんな、暇すぎじゃないかな。

 


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