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195話 イベント一日目の夜 4 (※多数視点)

 ふっと意識が浮上した。スレイはいつのまにか横たわっていた体を起こす。

 パチパチと木が爆ぜる音が耳に届く。

「ここは・・・?」


「お、目ぇ覚めたみてぇで良かったぜ。あぶねぇところだったからな、お前さんら」


「貴方は?」


「ん? 俺かい? 俺は有楽月(うらつ)。この辺りで、仲間と一緒に豆をまいてたのさ。そしたら、お前さんらが森の主に挑んでいくのを見掛けてねぇ。大丈夫そうなら放置しとくとこなんだが、大丈夫見えねぇってんで、ついつい出来心で助けちまった」


 そう言って、焚き火に照らされた有楽月の顔立ちに、スレイは驚く。

 頭から伸びた日本の角は黒い円錐形であり、その下の顔は意思の強さが全面的に出た、凛々しい顔立ちをしていた。

 髪色は白で、瞳は赤い。

 着ているのは、夜に紛れるためなのだろう。黒を基調とした着流しで、思わず、その男をまじまじと観察してしまう。


「俺の顔に何かついてるかい?」


「いや、何でもない。ところで、俺には仲間がいたはずなんだが」


「あぁ、お前さんのお仲間さんね。いるよ、ちいっとばかしお前さんよりも傷が深くてね。俺の仲間に薬を買いに行かせてんだ。ま、あと四半刻ほどすりゃ、さすがに戻ってくるだろう。ところで、お前さんら、異界人なんだろう?夜の森は危ねぇって聞かんかったのかい」


「いや、実は聞いていない。どういうことだ?」


「夜の森は、魔物が活発化するから大変なんだが、もう、夜は出歩かん方がいいだろう。それとも、俺らの村に戻るかい? 少しならばもてなしてやるぜ」

 ニヤリ、と笑う有楽月の提案にのるかそるか、スレイは悩むのだった。


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