181話 イベントの参加者たち 14(※多数視点)
ヤマトはひとまず、持ち帰った情報をブラッドに話してみた。すると、ブラッドは難しい表情で、うーん、と唸る。
気持ちはわかる。結構問題点が山積みだからだ。
「地中に埋ったままで移動かぁ。それ、要するに地中にいる間、攻撃を加えられないってことだよね」
「そうだな。あいつはでかいし、攻撃力や防御力も高そうだった。それを崩さない限り厳しいだろうな」
「そうだね。ハイドよりも大きいし、体力もありそうだよね。と、なると持久戦は必至。毒とか効かないかな?」
「猛毒状態にして、時間を稼ぐのか。それも効くならありだな」
そんな話をしてると。
「それなら、今作った試作品の毒薬もって、もう一回行って、効くか試してみて!」
シヴァがばっと、テントを開け放って、外に出てきた。話は聞かせてもらったと、言いながらヤマトに様々な瓶を渡す。全て、毒やら麻痺やら、混乱やらの薬だった。
「あの、シヴァ。これって・・・」
「とにかく、相手の弱点とか、効く毒薬がないかを調べたいから、それアイテニ振りかけてきてね♪ そしたら、もっとデータが集まるだろうし。あ、そうだ。これ、データ収拾用紙。試してみて、項目に色々書いてね。瓶に数字ふってあるから」
「ちょ、これ、軽く百瓶ほどあるんだが!? これ全部試すのか!?」
「万全を期さないと、死者が出るよ。それでもいいなら、数を減らすけど・・・」
そんなことを聞いて、数を減らせとはさすがに言えない。かくして、ヤマトは同情したブラッドに手伝ってもらいながら、薬の効き具合を巨鬼に対して試したのだった。




