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160話 小噺 修業 (※多数視点)

 はぁ、とティティベル神は嘆息した。

「まだ、やるつもりなの?」

 ここは、ティティベル神の居城。その中庭だった。いくら位落ちしたとはいえ、ティティベル神の力は人知を越えた力であり、通常の攻撃ではその肌に傷一つつけられない。


 だが、相対しているダークエルフの少年ーナーガは違う。その手にあるのは、ティティベル神自身が、使いこなせるのであればと与えた魔弓だ。実際には使いこなすにはまだまだだが、それでもある程度力は使えている。


「あなたは十分強い。気にしなくても、その内魔弓を使いこなせるようになるのに」

 どんな武器も、慣れないうちは、致し方ないのだ。慣れるまで修練を重ねる。それは、一つの強くなるための答えだろう。

 だが、つい先日の騒ぎ。危うく同族に生け贄にされかけたナーガは、ティティベル神を頼ってきたのだ。

 今のままでは弱すぎて話にならないから、鍛えてほしいと。


 よほど、先の一件が堪えたようである。できれば断りたかった・・・というか、現に何回も断ったのだが、ナーガは諦めずに必死に頼み込んできたのだ。

 あまりの必死さに、ティティベル神の方が根負けし、仕方なしにナーガの修業をみることになった。本当ならば、こんな風に誰かに構うということはティティベル神はしない。


 しかし、武器を与えたのは自分だし、その自分に使い方を聞いてくるのも、当たり前と言えば当たり前だ。

 あの赤髪の少年ならば武神クレストの修業にも耐えうることができるが、ナーガはそうはいかない。

 かといって、魔神ジャスティスに弓を教えてもらうというのも、かの神は専門ではないので、厳しいだろう。


 結果的に、ダークエルフたちが信仰するティティベル神にお鉢が回ってきたのである。

 ティティベル神とて元は月と狩猟を司っていた。

 要するに、弓の扱いに関しても、得意なのである。


「飽きた。しばらく、休憩してくる」

「・・・・・・・・・。」

 倒れたナーガは眷属に後を任せて、ティティベル神は居城の中へと戻る。

 居城内の担当である眷属にお茶を頼み、ティティベル神は中庭を一望できる窓がある部屋へ移動する。


 ナーガは、目を覚ますとティティベル神がいないことにすぐに気づき、悔しげに唇をかみしめた。だが、弓を近くの地面に置くと、踊り出す。

 それは、ティティベル神の一番好きな舞、月光と蝶の舞だった。

 ナーガは、ティティベル神に修業をつけてもらうようになってから(と、いっても数日のことだが)、この舞を度々見せるようになっていた。


 それを、こっそりと見るのが最近のティティベル神の楽しみとなりつつある。

 ナーガの舞は見ていて心地好い。

 全てを鎮めるかの様な、静かな舞は、ティティベル神の心をも惹きつけ、不安や不満を洗い流してくれるような気分になる。


「ナーガの舞は、好き」


 まぁ、まだまだ教えなければならないことが山盛りだが、少しずつ教えていこう。少なくとも、あの舞が見られるのであれば、それだけの価値があると思うから。

 ティティベル神は届けられたお茶をそっと口に含むのだった。



名前 :ナーガ(ダークエルフ)

メインジョブ:ダンサー(基本職、Lv56) 

サブジョブ:建築士(基本職、Lv46)

LV :53

HP :2580

SP :1991 

力  :434 + 56

敏捷 :406

体力 :210 + 5

知力 :357

魔力 :467

器用 :866

運  :503

親密度:100


スキル 弓術Lv 52 風魔法Lv18 光魔法Lv12 闇魔法Lv33 気配察知Lv34  危機察知Lv 29 急所察知Lv 34 威圧Lv 19 舞踏Lv50 建築Lv45 


装備 魔弓・死狼 白の服 外套 厚底ブーツ


称号 ティティベル神の同胞 テルアの仲間


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