156話 小噺 主のこと 3 (※シヴァ視点)
すみません。一日間違えて予約投稿してました。本当にすみません。m(_ _)m
不安そうな表情の武神クレストを放置もできず、ひとまず、どこまで自分のことを覚えているか、聞いてみた。だけど、帰ってきたのは「まったく覚えてない」だった。自分の名前すら、覚えてない始末だ。本当に、どうしよう。嘘つきの薬の効果は、せいぜい二・三時間だ。それまで様子を見てようか?
結論からいうと、ダメだった。薬の効果時間を過ぎても、何も思い出さなかったのだ。と、いうことは、本気で薬とお茶の相乗作用によるのだろう。
この場合、お茶が原因なんだから、お茶の効果を中和する薬をって、お茶のサンプルを取るのを忘れていた!
もう、コップは洗ってしまってる。これではお茶のことを分析できない。
こんな初歩的なミスをするなんて・・・悲しくなってくる。
「どうした? なんか、悪いことでもあったのか?」
不安げに訊いてくるクレスト神に、正直に言うべきかどうか、悩んでしまう。でも、きちんと言わなければならないことだ。包み隠さずに話そうとして。
「シヴァとクレストのおじさんとか、変わった組み合わせだね」
ーーーーーー主。
主は、本気で珍しがってるようで、僕らの方へと歩み寄ってきた。そして、クレスト神の様子がおかしいことにすぐに気づいた。
「クレストのおじさん? 何かあった?」
「誰だ、お前?」
「え。・・・・・・ひょっとして、クレストのおじさん、僕のこと覚えてないの?」
「全然」
主は、まじまじとクレスト神を見上げた。
「本気みたいだね。シヴァ、何があったの?」
主に問われて、どきりとしたけど、結局包み隠さずに話すしかなかった。
「クレストのおじさんにまで効く薬、ねぇ。普通、そんなたいそうな薬なんて作れないはずなんだけど。シヴァ、ひょっとして天才?」
ーーーーーーこの間、クレスト神に効く薬のサンプルを取って、少し勉強したけど、そんなの使ってないよ?
「ふーん。薬の効果まで打ち消せるかはわかんないけど、とりあえず浄化」
クレスト神に主が魔法を掛けると。
「ん? んんんんん?」
クレスト神が夢から覚めたように、瞬きを数度繰り返した。そして、キョロキョロと辺りを見回して、附に落ちないといった顔をする。
「クレストのおじさん、大丈夫?」
「あぁ、テルア。大丈夫かって、何かあったか?」
クレスト神が疑問符を浮かべているなか、主はさらりと言ってのけた。
「ん? 覚えてないならいいよ。大したことじゃないから」
記憶を失っていたのは、十分大したことに入る気がするのは気のせいだろうか?
「確か、シヴァのお茶飲んで・・・」
「あれ、失敗作だったからすごい味してたみたいで。それで意識なくしてたみたいだよ、クレストのおじさん」
さらりと。嘘をまるで真実のように語る主がすごい。全然動じてない上に、直前にシヴァのお茶を飲んだのは間違いないのだ。
もっともらしい嘘に、そうか、とクレスト神も納得してしまう。
騙されてるとは、シヴァには言えなかった。風魔法で静かにね、と忠告されていたからだ。
でも、主いいのかな? こんなことしたら、ばれたときに主の方が・・・。
「ところで、クレストのおじさん。じいちゃんは結構忙しくしてるのに、おじさんは何も準備とかしないの?」
「は? え、今何時・・・一日経ってる!? やべ、主神から言いつけられた仕事がまだ終わってねぇ!」
慌てながら、クレスト神が転移で姿を消す。
すごい! すごすぎる! あれだけ慌ててたら、仕事をしてるうちに色々と忘れてしまいそうだ。
「嘘つくのは心苦しいけど、シヴァがお仕置きされるのもちょっとね」
なんでもないことのように主は、言ったけど。このとき、主に絶対ついてくって決意を新たにした。
そのあとは、薬を使うときは十分注意することと、他の神々にも効く薬の開発をしてほしいって主に頼まれた。
嬉しすぎて、感激でむせび泣きそうだ。
「シヴァの薬には、僕も助けられてるし、みんなもそうだと思うよ。頼んだ薬の方は別に急がなくていいから。ゆっくり開発進めていって」
何度も頷きながら、主に頼まれた開発を頑張ろう、とやる気を出すのだった。
名前 :シヴァ(三つ目蛞蝓)
メインジョブ:薬師(Lv35)
サブジョブ:盗賊 (Lv29)
Lv :31
HP :1863
SP :917
力 :356 + 38
敏捷 :189 + 60
体力 :408 + 30
知力 :369 + 60
魔力 :463 + 50
器用 :531
運 :1000
親密度:100
スキル 体当たりLv16 なめるLv12 生命力吸収Lv21 毒攻撃Lv18 忍び足Lv10 薬品作成Lv30 タフネスLv 23 不屈の闘志Lv 17 毒耐性Lv13 麻痺耐性Lv9 魅了耐性Lv12 混乱耐性Lv5
称号 ユニーク個体 テルアの仲間 魔神の加護
装備 毒針×8 火鼠のマント 暴風の腕輪×3 さざ波の腕輪×3 毒蜥蜴の腕輪 精霊の腕輪 魔力の腕輪 ケット・シーのブローチ
次→7/3 19時




