154話 小噺 主のこと1 (※シヴァ視点)
「実はみんなとしばらく会えなくなるんだよね」
そんな主の言葉は、自分に深く突き刺さった。主は、こちらの世界と、あちら側と言われてる世界とを行き来してる。だから、常に一緒にいられるわけではないことは、最初からわかっていた。それでも、落胆してしまう。
しかも、十日間とか。主は、自分達のことが嫌いなんだろうか、そんな風に悪い方に考えてしまう。
わかってる。主にそんなつもりはさらさらないって。でも、もっと一緒にいたいなって、思うのはわがままなのかな?
主を困らせたくなくて、あんまり自己主張しないようになってしまっているのは、みんな同じだ。
暗黙の了解ってやつだ。
実際、そうせざるを得ない。主は、おじいちゃんとの修行で忙しいから。それをわかってるから、みんな自己主張をしない。
本当にこのままでいいのかな?
わからない。わからないなら、答えを求めて、みんなと話をしてみるのもいいかもしれない。丁度、試したい薬もあったし。
がさごそとアイテム袋からその薬を取り出した。
お遊びで作ったそれは、名称を嘘つきの薬という。
嘘ばかりつく人間や天の邪鬼な人間の本音を引き出すために使う。これを飲むと、みんなが本音しか言えなくなるという薬だ。たまには、腹を割って話すのも、いい刺激になるはずだ。
よし、とりあえずこれをみんなに飲んでもらって、様子見しよう!
何に混ぜればみんなが飲んでくれるか、考えながら過ごした。
明日からしばらく1話更新になります。詳細は活動報告に載せてます。そちらをご覧ください。
次→7/1 19時




