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153話 小噺 私の師匠3(※チャップ視点)

 探索をほどほどに切り上げた私たちは、フェルマの街の近郊にまで戻ってきました。

 師匠はもうあちら側に帰ったらしく、姿がありません。これはもう、仕方ないことでしょう。


 早速、採ってきた素材を使用して、薬を作り始めるシヴァや、鋼糸で様々な服を縫い始めるハイド、私はそれを横目で確認しながら、魔法を使用してスキルレベルを上げます。地味な作業かもしれませんが、地道な努力が上達するコツです。実際、師匠も地道な努力をしていますからね。

 私は今日の戦利品の剣から、ナイフを作り出すために火魔法のフレイムオーラを使用しました。


 ドロリと腕の中で熔ける鉄の塊。その塊を普段使用してるナイフで、幾つかの塊にしていきます。それを、適当な石の上に乗せながら、トンカチで叩くと、どんどん引き伸ばされていきます。

 それをナイフの形に整えて、少し水につけて、さらにまた形を整えてを繰り返していき、朝になるまでには、ナイフの刃が幾つか出来上がりました。


 ただ、少しナイフは重くなってしまったようです。これでは飛ばすのは無理そうですね。飛びはしても、飛距離が伸びないでしょう。威力はありそうですが・・・これは、鉄の剣が折れた時用に、短剣として使いましょう。

 短剣の柄を、どうするか考えていると。


「かぁ!」


 ヤマトがいつのまにか近くにいました。驚く私に、ヤマトは興味深そうにじっと私が作った刃を見ています。

 欲しいんでしょうか?

 そういえば、ヤマトは大した装備品をもらっていませんでしたね。攻撃力皆無などとは思いませんが、お守り代わりに欲しいのかもしれません。


「欲しいんですか?」

「かぁ!」

 こくこくと頷くヤマトに、私はいいですよ、と返しました。ヤマトは嬉しそうに、二つの刃を嘴にくわえました。

「かぁかぁかぁ!」

 ヤマトはありがとう、と言っているようでした。どういたしましてと返しますと、早速、刃をごくんと、飲み込みました。

 ええ!? と私が呆然としているうちに、ヤマトの背から、二本の刃が出ました。

 驚きました、ヤマトはこんなことができたんですね!

 刃は出し入れ自由なのか、ヤマトは出したり引っ込めたりして、具合を確かめているようでした。すごいですね、本当に。

 

 気が済んだのか、ヤマトはまたどこぞに飛んでいきましたが、すぐに戻ってきて、私の前に何か落としました。

 それは、ナイフの柄に利用できそうな鉱石でした。

 精錬は、じっちゃんにやってもらえばいいでしょう。じっちゃんもかなり器用ですしね。

 そんな風にナイフを作るだけで、時間は過ぎていきました。



「へぇ、チャップ、ナイフ作ってるの?」

「師匠!?」

 集中してた為に、背後から声を掛けられるまで私は気づきませんでした。不覚です。

「僕もやってみたいけど、チャップみたいにうまくはいかないかなぁ。チャップ、すごいね!」

「そ、そんなことはありません。私より、師匠の方がすごいです」


 師匠に誉められて、嬉しいやら恥ずかしいやらで、つい謙遜してしまいました。あぁ、笑顔が眩しいです。師匠の場合、ステータスが高いのはよく知ってますが、その気になれば老若男女を誘惑できてしまうのではないでしょうか?

 それくらい、眩しくて、温かな笑顔です。向けられると、こちらまで幸せになってしまうくらいの。


「今日は、じいちゃんが遅れてくるらしいから。何か行き詰まってるなら、僕がチャップの練習、みようか?」

「本当ですか!?」

 普段、ほとんどじっちゃんの修行に付き合わされてる師匠が見てくれるなら、こんなに嬉しいことはありません。

 早速、道化術の今できることを師匠に見せてみました。

 師匠はじっと鋭い視線で私の演技を見ていましたが。


「うん、これだけできるなら、そろそろ舞台構成を考えてもいいかもしれない」

「舞台構成、ですか?」

「どんな風に観客を魅せるか。その前段階だよ。技をスムーズに繋げて、観客を喜ばせるような舞台構成を考えるんだ。こんな風にね」


 師匠は、一例を私に見せてくれました。炎の鳥、水の蛇、光魔法を使用したイリュージョン、すごいです!技の繋ぎが滑らかで、師匠の技量はとんでもないことが伝わってきます。しかし、それ以上に楽しげにしてる師匠の姿を目にするだけで、こちらまで楽しい気分になるのです。


 一時の至福は、しかし、すぐに終わってしまいました。

 そして、私は師匠から一つ課題を出されました。次にまた練習をみるときには、師匠の前で自分で考えた舞台構成で演技すること。

 難題です。

 けれど、時間はあります。なので、今の私ができる最高のパフォーマンスを、師匠に見てもらいたいと思います!

 そのためには、練習ですね。頑張りますよ!


 名前 :チャップ(悪魔兵兵隊長)

メインジョブ:道化師(レア職、Lv23)  サブジョブ:魔法使い(基本職、Lv18)

LV :37

HP :2368

SP :1842 

力  :345 + 13

敏捷 :371

体力 :300 + 5

知力 :366

魔力 :529

器用 :603

運  :1000

親密度:100


スキル 剣術Lv 25、拳術Lv12 武器術Lv9 指揮Lv7 火魔法Lv18 闇魔法Lv22 幻惑魔法Lv12 気配察知Lv27 危機察知Lv 31 急所察知Lv 24 威圧Lv 6 軽業Lv15 道化術Lv9 


装備 鋼の剣 鎖かたびら 白銀の時計


称号 悪魔兵兵隊長 魔神の加護

次→21時

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