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152話 小噺 私の師匠2 (※チャップ視点)

 教師スイッチの入ったじっちゃんと師匠の邪魔をするわけにもいきませんし、何より、じっちゃんから各々に課題も出されてしまっています。この量をこなさないとならないのは、毎回大変なんですが。集中しないと、今日中には終わりそうにありません。

 私は出された課題をなんとかするために、フェイマの街近くにある迷宮に行くことにしました。他のみんなも誘ってみると、折よく、ハイドとシヴァ、ヤマトも同じ迷宮に行こうとしてるようでした。

 ブラッドは、師匠と共にじっちゃんから座学を学ぶようです。

 うらやましいです。


 と、気持ちを切り換えていかないといけません。なにせ、今から行く迷宮には罠がたくさん仕掛けられているのです。

 ただ、全員、危機察知のスキルは持っているので、ある程度は大丈夫でしょう。


「それでは、行きましょうか」

「かぁ!」

 ーーーーーーうん、予備の薬もたくさんあるし、大丈夫。

 ーーーーーー衣類に使える綺麗な材料がたくさん採れるといいんだけどね。

 私たちは、迷宮へと出発したのでした。


 迷宮の名前は、ミラージュ火山。山なのですが、所々から吹き出すガスの影響でたまに幻覚をみるという、なかなかに厄介な自然の罠のある山です。


 この山では温泉もあったりします。その温泉水も、薬の材料となるので、シヴァはそれを主に採取するようです。


 ヤマトは、純粋にレベル上げが目的のようです。強くなって、必ずあの小鬼をぎゃふんと言わせてやると、燃えています。多分、ネキボウさんのところの小鬼の像ですね。


 シヴァとヤマトの乗り物となっているハイドは、特におしゃべりというわけではありません。ですが、時折何かを見つけては、じっとそれを眺めたりしています。何をしているか聞きますと、こういう景色の中に、たまに刺繍のモチーフになりそうな光景があったりするのだとか。職人気質ですね、わかります。私も何か新しい技になるような出来事がないかと、迷宮内を注意深く観察します。

 

 結構景色がおもしろいので、それを見ているだけでも案外楽しめます。

 ここの魔物たちは、基本的に私たちに手を出しては来ません。実力の違いをしかと感じ取ってるからでしょう。故に、レベル上げをするために、私たちは自分の気配を殺しました。すると、すぐに近くに毒蛙(ポイズンフロッグ)がやって来ました。

 赤紫の体に、斑に黒が入ったグロテスクなカエルです。


 ーーー! 薬の材料になるから、生け捕りにしてくれる、ハイド!


 ハイドの鋼糸ですぐに絡めとられたカエルたち。そのカエルにシヴァが近寄ると、そのカエルに、触手(?)を伸ばして、何かやります。カエルたちから、離れたシヴァの体は、赤紫の斑になっていました。

 そして、ガラス瓶を取り出すと、そこに、一本触手を入れて、どばーっと赤紫色の毒々しい液体が注ぎ込まれました。

 繰り返すこと、五回。


ーーーうん、これでいいはず! 

 同じ液体が注ぎ込まれた瓶を大事にアイテム袋にしまうと、シヴァが嬉しそうにしていた。おそらく、あれは毒薬になるんでしょう。

 生け捕りにした、カエルたちは、私とヤマトできっちり止めを刺しました。元々、私もスキルのレベル上げをしに来てますしね。


 この辺りの魔物は私たちの相手にならないことは、よくわかっています。あまり、狩りすぎるのもまずいでしょうか。

 そんなことを考えていた私たちでしたが。唐突に、全員が足を止めました。

 それは、そうでしょう。

 こちらを狙いに来てる気配があります。


 魔物ではありませんね。おそらく、師匠と同じ、異界人なのでしょう。ですが、実力がお粗末様過ぎます。


 私たちに、気づかれてないとでも思ったのでしょうか? これでも、鍛えてますし、危機察知と、気配察知はここにいる全員が取得済みなんですが。それとも、レアな魔物とでも思われたんでしょうか?


「まぁ、敵は排除するのみですね」

 私は、パチン、と指を鳴らしました。師匠が指を鳴らして、魔法を発動する姿がかっこよかったので、真似してます。


 魔法はきっちり発動しました。闇夜の中に、大きく立ち昇る火柱。怯んだ隙を見逃さず、ハイド&シヴァ、ヤマトが攻撃を仕掛けます。もちろん、私も攻撃に参加します。

「くそっ! 撤退・・・」

 リーダー格の異界人の言葉を最後まで言わせずに、私はスキルを放ちました。


「光刹斬」


 リーダーの頭から、脇腹までを一気に切り裂き、剣は止まりました。

 そのまま倒れ、リーダーは何かを残して姿が消えていきます。


 まったく、この程度で私たちを襲おうなど、片腹痛いです。一撃死とか、あり得ないでしょうに。鍛え方が足りませんね。師匠なら、おそらく、ここにいるヤマトを加えても勝ち目はないでしょう。

 残されていたのは、鉄の剣でした。

 これは、いいですね。この剣を潰して、ナイフに作り替えれば、投げナイフに使えます。

 他にもあった戦利品をみんなで回収しつつ、私たちは探索を続け、各々の目的を果たしたのでした。


次→6/30 19時

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