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146話 神を鎮めるために 27 (※多数視点)

 遅れました、すみません。(´・ω・`)

 ティティベル神は、己の居城で珍しい客を出迎えていた。

 赤い髪の少年神、ティティベル神の弟でもある太陽神ロードである。しかも、久々にここまでやって来たのが転移魔法だったのだから、さらに、驚きである。この弟は、転移魔法については、下手である。変な場所に出てしまうことの方が多く、移動は基本、愛馬(?)のメルセデスを使っているくらいである。


 メルセデスには悪いが、そうでもしないと、時間通りに絶対に来ないのだ。この、太陽神ロードは。

 そんな移動に関してはダメダメな弟がここまでやって来た理由が気にならないわけがない。

「ティティベル姉、お久ー! 実は、今夜中にここまで辿り着けなきゃどうしようかと思った!」

 明るく、あっけらかんと言い放つロードに嘆息しながら、一応ティティベル神は、ロード神にお茶を出してやった。


「ありがとな! 喉渇いてたから、助かる!」

 一気に、お茶を飲み干すロード神。かなり熱かったはずだが、熱いものはなんでも平気で飲んだり食べられるので、驚きはない。

「それ飲んで、さっさと帰って」

 にべのない姉の言葉に、ロード神は笑みを消して表情を一変させた。

「そうもいかないんだ、ティティベル姉。ティティベル姉、この間テルアって名前のプレイヤーと知り合っただろ? んでさ、そのテルアってか、テルアの連れてるダークエルフに呪いかなんか掛けた?」

「儀式を邪魔されて、腹が立ったから、少しは。でも、もう何にもしてない。ナーガには、あいつを見張ってもらわなきゃならないし」

「じゃあさ、なんで、ダークエルフ達が、そのナーガをティティベル姉の生け贄にしようとしてんの? テルア、結構怒ってたみたいなんだけど」


 ティティベル神の動きがぴたりと止まった。次いで、壊れたブリキの人形のようなぎこちない動きで首を動かす。

「ちょっと待って。何それ? 私、聞いてない。っていうか、怒ってるの? あいつが? それはまずい!」

 ティティベル神は体をガタガタと震わせた。ダメだ、あれは怒らせてはならない筆頭だ。あれを怒らせれば、すぐに魔神と武神も出張ってくる。確定だ。

 なにせ、あれのためにわざわざティティベル神とあれの勝負の審判を務めたくらいなのだから。

「ティティベル姉? どうかしたか?」

「ナーガは今どこ!?」

 ティティベル神はロード神の首根っこをひっつかんだ。

「え、いや。自分の村にいるはずだけど」

 ティティベル神は、すぐに転移を実行した。

 そこで、二人は瞠目する。先に動いたのは、ロード神の方だった。

 あっという間に、彼とあれとの間に割り込み、彼の腹に一撃をお見舞いした。

 ティティベル神は、思った。

 ここにも、あれに激甘な神がいたのか、と。

 すぐにテルアの側へと寄ると、ナーガも近くにいた。

 だが、今はそれどころではない。

 ロード神が怒ってる。

 あ、うん。これは、相当ひどいことになる。

 ティティベル神は、姉として確信するのだった。



次→6/27 19時

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