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142話 神を鎮めるために 23(※多数視点)

 村の中で怪しい建物というのは限られているため、捜査は基本的にはあっという間に済んでしまった。と、いうのも、村の中で入れない建物が二つあったからだ。一つは、村の北に位置する建物だ。明らかに他の建物よりも立派な家であり、ハイドとシヴァ、それにブラッドが侵入しようとしたが、何故か入れなかった。鍵がかかっていても、シヴァは鍵開けを覚えているので問題はないはずなのに、入れなかった。さらには変な声まで聞こえる始末だ。


 この建物は、イベント中のため、現在中に入れません。


 よくわからないが、とにかく入れないということはいやと言うほど悟った三体だった。

 もう一つ、大きな建物は西にあった。

 そちらはチョップが調べようとしたそうだが、ハイドたちと結果は同じだったらしい。ただ、そちらでは戦いの音がしているらしく、かなり興味深いことになってるようだ。

「かぁ!」

 魔物たちは、一旦集めた情報を持ちより、会議を開いていたが、特に成果はない。

 これでは、どうしていいか迷ってしまう。さらに、主であるテルアもなかなか戻ってこない。

 探しに行った方がいいのではという結論に傾きかけたとき、ようやくテルアが戻ってきた。

 ただ、魔物たちは最初自分の主だと信じられなかった。

 気配が全然ないのだ。それなのに、眼前に立たれると、その存在に自然と頭を垂れてしまいそうになる。魔物たちは知らなかったが、それは畏敬の気持ちだった。


「あれ、みんな。かしこまっちゃってどうしたの?」

 テルアがのんびりと声を掛けてくれて、ようやく魔物たちはテルアの側へと行くことが出来た。


ーーー(マスター)、どうしたの? 一瞬主じゃないかもとか、思っちゃった。

「師匠。あの、その姿というか、なんというか・・・何かありましたか?」

 なんと表現したものかわからず、困惑気味に問いかけるチャップに、テルアは苦笑した。

「あ、スキルの効果残ってるから、そのせいかも。怖い?」

「いえ、まったく。師匠は師匠ですから」

「そっか。うん、みんなが怖がらないなら、別にいいかな。僕にもよくわかんないんだよ、この眷属化のスキルって。あ、それと大事なこと言わなきゃいけなかったんだ。今から一時間程経たないと、ナーガは現れないらしいんだ。それまで各自自由行動でお願い。ただし、見つからないようにね」

 テルアのその言葉に、魔物たちは喜んだ。魔物たちのやりたいこととは一つのみ。

 魔物たちは、自分達の主に向かって殺到し、時間が来るまで、甘えまくるのだった。

 



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