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138話 神を鎮めるために 20

 僕は、てっきり、この転移はじいちゃんの仕業と思って振り返ると。

「よ、こんばん、テルア!」

 すちゃっと手を上げて応えたのは、僕の予想外の人物だった。

 っていうか、なんで太陽神がここにいるわけ!?

「なんで、いるの、ロードさん!?」

 本気で不意打ちだったよ。いやまぁ、フェルマの街でよく遊んでるみたいだから、不思議はないのかも・・・いや、よく考えたら、やっぱり不思議だらけだって!

「ん〜、オイラがいる理由? そんなん、久々にオイラがティティベル姉に会いたくなったからに決まってんじゃん」

 にかっと、とても眩しい輝かんばかりの笑顔なんだけど、聞き捨てならないこと言わなかった、今!?


「え、え? ティティベル姉? まさか、ティティベル様って・・・」

「うん、オイラの姉ちゃん。オイラ、三人姉妹弟なんだ」

「ええーっ!?」

 今日一番の大きな声が、僕の口から出たのだった。


 いや、本当に驚いたよ。まさか、ティティベル様がロードの姉とか。全然似てないんだけど。そう言うと、ロードはからから笑いながら、両親に似た姉二人と、遠い祖先に似てしまった自分のことをあっけらかんと暴露してくれた。これ以上は、複雑にならなくていい。

 神様の家族事情を知ったところで、有効活用はできそうだけど、仲悪い神様同士の争いに下手すれば巻き込まれかねないし。

「ま、オイラも久々にティティベル姉に会うから、どんな言葉を投げ掛けられるかわかったもんじゃないけどな! ティティベル姉、実は昔失恋したことあってな? オイラ、やめた方がいいって止めたんだけど、聞く耳持たずに突っ走って、挙げ句に位落ちしたんだよ! 本当、ティティベル姉も若いときは、色々やらかしてるってことだ」

「は、はぁ」

 どんな反応すればいいか、ちょっと困る。でも、とりあえず聞くべきなのは。

「あの、ところでここ、どこですか?」

「ダークエルフの村から、三千キロくらい離れてる森の中だな! オイラ、実は転移とかすっごく苦手でよく変な場所に出るんだよ。ま、気にすんな!」

 はぃいいいい!? まさかの転移魔法下手!? それなら、なんで、僕らを巻き込んだの!?

 三千キロなんて、何日の踏破になるわけ!? これはまずい!ナーガを助けに行かなきゃいけないのに!

「でも、心配は無用! オイラの愛馬、メルセデスなら、この世界の端から端まで十二時間ほどで往復できるからな!」

「だったら、最初からそのメルセデスに乗せてよ!」

 僕の抗議は、笑って無視されたのだった。

 


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