136話 今日も今日とて。
昼休み僕はいつものごとく、いつものように正也に捕まっていた。思わず、僕は正也に対して抗議した。
「正也! 毎日毎日なんでお昼休みに僕のところに来るわけ? は、まさか僕の体が目当てとか!?」
「あるか、この廃プレイヤーが! 俺が毎回お前のところに来てんのは、お前が色々やらかすからだ! 俺に昼休み全部潰されたくないなら、素直に吐け! お前、ナガバの森で、武神とやりあっただろ!?」
「あ、うん。そのせいで今日ほぼ完徹。午後の授業、体育だから、寝ながらなんとかこなすけど」
「あ、そうだな。後で着替えねぇと・・・じゃない! なんで武神とやりあえるくらいに強くなってんだよ!? 見ろ、この掲示板!」
〜ナガバの森の異変スレ掲示板〜
ナガバの森で何かあったらここに投稿してください。投稿時には、できるだけ具体的に、かつ正確な状況を教えてください。もしも、やばそうなら、紅蓮騎士団のリーダーに相談も可能です。
その場合、まず副リーダーの自分に連絡ください。 byカカシ ID5238
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587 モロッコ: 悪夢、再びかよ!?
588 ほりっくわーかー: 587に同意。ナガバの森よく修羅場になるな。始まりの街近場でレベル上げにはいいとこなのに(´・ω・`)
589 カカシ: 情報聞いて、すぐに確認しに行った。結論→近づくな危険。
ひとまず、ナガバの森に近づかなければ、害はない。ってか、近づいた途端、あり得ない威力の魔法が飛んできて、死に戻りしかけた。魔法の範囲半端じゃないから、近づくと死ぬと思った方がいい。(-_-;)
590 ミキ♪: それなら、投稿されてたスクショって誰が取ったんだろ? ある程度近づかなきゃ取れないはずじゃ?
591 カカシ: うちのリーダーに、最大までバフ系魔法掛けて、偵察に行ってもらった。お金預けてもらって。
592 ラッキー: 紅蓮騎士団のリーダーマジ漢前すぐる!!(゜ロ゜)ノ
593 ミキ♪: 普通に真似できねぇ。すごすぎる。(^_^;)
593 カカシ: なんでも、武神クレストの戦いを見られるいいチャンスだって、めちゃ乗り気で。武神と闘ってるの、一応、知り合いのプレイヤーなんだけど、ここまで廃人とは思わなかった。
リーダーに聞いた話だと、五時間ほど戦ってたらしいから。死に戻りせずに。
594 ミキ♪: Σ(゜Д゜)
595 ほりっくわーかー:
!Σ( ̄□ ̄;)
596 モッキ〜: ガタブル(°Д°)
597 スレイ: (*´ω`*)
598 シルガン: 蜘蛛マスターならやりかねねぇ。あいつは化け物だ。
599 カカシ: あれ? リーダーいつの間に!?
600 スレイ: 二人の戦いだが一方的な展開だったが、見応えがあったぞ。できればもっと見ていたかったくらいだった。(*^^*) 俺にもっとHPがあれば・・・!(>_<)
601 カカシ: そういえば、リーダーも十分廃プレイヤーだった・・・。
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「正也。これ、今更じゃない? 殊更取りあげるほどのことでもないと思うよ?」
「お前の基準を他人にも求めるな! まぁ、確かに今さらだけどな!? もうちょっとこう、反省とかあるだろ!」
反省の一言に、僕は反論した。
「反省!? 巻き込まれただけなのに!」
「お前の場合、巻き込まれたがデフォルトなの、なんとかならねぇのか!?」
「なってたら、苦労しないよ、こっちも!」
互いに息切れを起こす。僕はともかく、正也は珍しい。
「くっ。改めて考えると理不尽だ。主観的には、巻き込まれたが正しいのかもしれねぇけど、客観的には輝が悪いようにしか見えないところが特に」
「僕は悪くないってば!」
「それを俺が素直に信じられると思うか、前科ありまくりの輝?」
「ぐっ」
くっ。旗色が悪い。このままでは僕が悪いことをしているみたいだ。誓って言うけど、僕は巻き込まれている方だ。そして、悪気があって誰かを巻き込んでいるわけではない。
すべては騒ぎが向こうから大喜びで抱きつく勢いでやって来るのがいけないのだ。
そうだ。やっぱり僕は悪くない!
「ちなみに何考えてるのか、大体わかるが、人を巻き込まない努力はするべきだからな?」
「だから、好きで巻き込んでないってば!」
僕は正也に抗議しながら、強めに正也の肩を叩くのだった。
そんな感じで、今日も賑やかに昼休みは終わっていき、なんとか半分眠りながらも、体育の時間を乗りきり、放課後に僕は奥田さんにノートを返したのだった。
次→19時




