121話 神を鎮めるために 7
風の結界を解いたのはいいんだけども、奥に進もうとした途端、すぐに次の罠が待ち構えていた。
切り株の群生地帯を抜けたと思うと、僕は一人になっていたのだ。特に何か光ったわけでもなかったというのに!
そして、僕の眼前にはカタカタカタと音を立てながら、道を塞ぐスケルトンの群れ。
うーわー。これは、悪趣味過ぎる。
僕は思わず、パワーアップとスピードアップを自分に掛けた。
そのままスキルの花烈大破を発動した。スケルトンが丸ごとなぎ払われるけど、すぐにまた、起き上がってくる。
解析を使用した結果、こんな感じだった。
名前 スケルトンナイト
メインジョブ:なし サブジョブ:なし
LV :9
HP :∞
SP :0
力 :25
敏捷 :15
体力 :10
知力 :5
魔力 :10
器用 :20
運 :0
スキル 剣技Lv3
称号 不死の呪いを受けた亡者
うん、称号もかなりえげつないね。おまけにHPが∞って・・・逃走するしかないんじゃない、これ? と、普通なら思うだろうね。でも、こちとら魔物博士の称号持ち。
対応策はわかってる。
「浄化」
手近な一体に神聖魔法を掛ける。
ぼろぼろとスケルトンの骨が風化し、塵となって地面に積もった。
その塵は後からやって来るスケルトンナイトによって蹴散らされるが。
スケルトンナイトたちが、うう〜、うあー、と意味が不明な叫びを上げる。
この時、心底、魔物使いの職業に就いていたことを悔やんだ。
・・・苦しい、苦しいんだ。
助けてくれ!
頼む、解放してくれ!
それは、呪いに囚われた亡者の叫びだった。ぎりっと唇を噛み締めてしまう。
「全員、きっちり浄化してあげるよ」
僕は、神聖魔法の詠唱を続けるのだった。
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