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120話 神を鎮めるために 6

 今の時間帯は完全に夜なんだけど、気にしてる僕が変なのかな? でも、アリって夜行性じゃないよね? 暇を見つけてまた調べとこう。

 一応、以前はやらなかった解析を使ってみる。

 

 名前 黒鋼蟻(くろはがねあり)

  メインジョブ:なし  サブジョブ:なし

LV :35

HP :1085

SP :605 

力  :354 

敏捷 :163

体力 :222 

知力 :390

魔力 :140

器用 :240

運  :100


スキル 地魔法Lv5 噛みつきLv 3 気配察知Lv5  急所察知Lv 3 暗視Lv3 SP回復速度上昇Lv1 HP回復速度上昇Lv2 タフネスLv3 忍び足Lv5 隠密Lv1

 

称号 解き放たれたもの ナガバの森博士 探索者 ユニーク固体 


 何気にすごい!? いやいやいやいや! 知力が突出して高いんだけど!?

 博士の称号があるし! この黒鋼蟻、ただ魔物(モン)じゃないよ!


「どうしたんですか?」


「流暢にしゃべってるし。うん、悩むのはやめた。とりあえず、君こそどうしてここに? 多分、以前僕を巣の近くまで案内してくれたアリさんだよね?」


「はい、そうです。その節はお世話になりました。実は、救世主様を巣へ案内した後、好奇心を抑えられなくなりまして。外の世界で冒険しよう! と思い立ち、巣を抜け出してきたのです。このナガバの森には、他にもたくさんの魔物がいますから、巣に帰らずとも、それらに襲われて死んだものだと判断するのが普通ですから」


「へぇ。でも、よく巣から離れられたね。アリって女王には絶対服従なんじゃないの?」

 普通のアリならそんな感じだと思うんだけど。黒鋼蟻は自分が特別だという自覚はないらしい。

「女王蟻は群れに一匹いるのは当たり前ですし、いちいち勝手にくたばった蟻には見向きもしませんて。ま、だから自分がここにいるんですけどね! ところで救世主様はどうして森に? 何か必要なら、採取場所に案内しましょうか?」


 どうやら、こちらに協力してくれるようだ。正直ありがたい。


「君、ナガバの森の奥への行き方知ってる? 大きな杉の木があるって聞いてるんだけど」

「『古代樹』の杉の木ですか? それなら、知ってます。でも、自分は行けないんです」


 行けない? 何か問題があるんだろうか?


「近くまでの案内ならできますから、そこまで案内しましょうか? あの辺りは道が険しすぎて獣も寄りつかない場所です。自分は、地魔法が使えますから、そこまで穴堀をして、道を繋いでます。ただし、快適とは言えない道ですが」

 どうも、かなり近道ができそうだし、ここから奥を目指すにしても、情報は欲しいところだ。

 一応みんなに黒鋼蟻と一緒に行っていいか訊くと、快諾してくれた。

 僕たちは、黒鋼蟻の先導で、森の奥へと案内してもらうのだった。


 黒鋼蟻自作のトンネルはハイドが通り抜けられないほどの大きさだったので、ハイドを小型化させて、僕らはトンネルを通り抜けた。戦闘は一切なく、消耗しないで済んだのは助かる。大体、所要時間としては一時間かかるかかからないかといったところだ。通り抜けた瞬間、瞠目する。

「これって・・・・・・」

「ひどいんだな」

 僕の魔法の灯りに照らされて、たくさんの切り株が淡く浮かび上がる。

 どれも、巨木であったことが一目瞭然の大きさだ。

「ここから先には、何故か行けないのです」

 僕は、調べようと切り株に触れてみた。


『聖域に侵入せんとする愚か者よ。ここより先には行かせんぞ!』


 頭に直接声が響いたかと思うと、僕の体は吹っ飛ばされた。どうも、風魔法のようだが、かなりやり方が乱暴だ。

 なるほど、こうやって侵入しようとする人間を排除するのか。

 うーん、困ったなぁ。

 この風を何とかしないと、先には進めなさそうだ。

「ネギボウさん、何か役に立つ道具とかない?」

「あいにく、僕は持ってないんだな」

 困った。これでは先に進めない、と考えていた僕の肩で、ヤマトがしきりに鳴き始めた。

 独特のリズムのある、不思議な鳴き声だ。

 やがて、ヤマトが鳴き止むと、パリンという済んだ音が響く。


 風の結界が解除された!


 ログが流れる。ヤマトが僕の肩から飛び立って、切り株の上に降り立つが、風は吹かない。

 恐る恐る、僕も切り株に触れてみると、もう声は聞こえずに風で押し戻されることもなかった。

「ヤマト、すごいね」

 僕がヤマトを撫でると、嬉しそうにヤマトが一声鳴いたのだった。

 


次→21時

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