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109話 フェイマの街 18

 待ち合わせ場所に着くと、相手はもう来ていた。さすがに遅刻するとかはないようだ。

「ピッケさん」

「気安く名前を呼ばないでくれる?裏切りものに呼ばれる名前はあいにくないの」

 いかにも仕立ての良さそうな服に袖を通した紳士面したのがどうやら話に出てきていたピッケという名の支配人らしい。

 グースが黙ると、ピッケは調子づいたのか、様々な話をしてくれようともした。その分、面倒な相手だなぁ、なんて僕なんかは思ってしまう。

「そもそも、私は認めてないわ。三人の結婚なんて」

・・・・・・・・・・・・・・・はい?

 今、おかしな単語を聞いたような。気のせいかな。

「三人の同意があっても、私は認めない。男同士の結婚なんて!」

 聞き間違いじゃない! どういうこと!? 三人の結婚て!


 そして、当然、過剰反応する人物がこの場には二人もいた。ピッケさん側にじいちゃんらがいたのだ。


「どういうことです!? まさか、あなたグースの正妻を狙っているのですか!?」

「ちょっと待った! なんで正妻!? っていうか、僕の方が嫁になってる!? いや、そもそも結婚しないよ、僕は! どこからそんな話になった!?」

「くっ、やはり決意は固いのじゃな、テルア。しかーし! 儂の目の黒いうちは、テルアの恋人は儂が認めた者以外は断じて認めん! もしも、愛を貫きたいのであれば、儂に二人・・・いや、三人の愛を見せて、納得させてみるがいい!」

「じいちゃんも何変な誤解してんの! 結婚なんてしないって! しかも相手誰!? この場で女性ってレーラとファミリアさん以外いないんだけど!?」

「あなたこそ、何言ってるの!? そこのグースとレーラとを恋人にしたんでしょうが! 変な仮面被って! 趣味を疑うわ」

 ピッケが茶々を入れてくる。

「はあ!? 二人を恋人にするわけないじゃん! 全部誤解だよ、前提条件が間違いすぎてる!」

 叫びすぎで喉が痛くなってきそうだ。

 そもそもみんな、なんで、こんな変な誤解をしてるわけ?


 そこで、僕はこそこそとこの場から退場しようとしてるグースとレーラが視界の端に写った。

「・・・・・・二人とも。どこ行く気?」

「あ、いや、そのだな。ちょーっと、送ったメールの威力がすごいな、と思ってだな」

「ご、ごめんなさい。まさか、みんな信じるとは思わなかったの!」

 ・・・原因この二人かぁ! ナーガは何やってたわけ!? いや、こうなることがわかってたから事前に逃走したんだ! 逃げ足だけは一級品だね、ド畜生! こうなりゃ、絶対見つけて反省するまでとっちめて・・・。


「認めませんよ、グース!こんな少年を正妻にするなど、私は断じて認めません!」

 半泣きになりながら、ファミリアさんが僕に杖の先端を向けてくる。

 ああ、もう! 状況がこじれすぎてわけがわからない。こういうときは、あれだ。

「とりあえず黙って。テルア・カイシ・クレストの名に於いて、この場にいる者全員、口を閉じることを要求する」


 覇王の威圧が発動しました!

 半径1キロメートル以内の全員のステータスが下がりました!

 魔神以外の全てのキャラクターに沈黙が付加されました!


 無理矢理でも、僕は全員黙らせることにし、一人ずつ話を聞いていくことにしたのだった。


すみません。睡眠不足なため、次は明日の8時投稿にさせてください(^_^;) ねむねむ。

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